おすすめ論文

ここでは敷田麻実の進めてきた研究から、面白そうなものを紹介しています

掲載日付 内容
2016年03月25日 地域資源の戦略的活用における文化の役割と知識マネジメント
2012年04月15日 中間システムの役割を持つ地域プラットフォームの必要性とその構造分析
2010年12月26日 専門家の新しい働き方とは? 創造的な働き方としてのハーフシフトの提案
2010年11月18日 専門家論文第二弾! 有限責任の専門家って?ありえる?
2009年08月30日 よそ者論文2005を改訂?しました よそ者論を知れば怖くない
2008年12月20日 エコツーリズムの理念と仕組みって何だろう
  「よそ者」って本当に必要なの?地域づくりやまちづくりでの疑問を解決
  わがままな専門家が多いと感じていませんか?でも彼らをうまく使うことが必要
  知識共有すれば怖くない? 知識創造と学習への参加の関係とは
  大学の研究室やゼミの運営ってどんな戦略でやればいいの?

地域資源を使うための選択肢を知る

【出典】敷田麻実(2016)地域資源の戦略的活用における文化の役割と知識マネジメント」『国際広報メディア・観光学ジャーナル』22, pp.3-17.

地域資源が大事、地域資源が大事っていうけれど、使い方には4通りしかない!


さわりの部分・・・・・

地域づくりでは、一般に「地域資源 」と呼ばれる、もともとその地域にある資源に着目することが多い。このように新たに資源を調達するのではなく、身近にある資源を利用することは、地域づくりではきわめて自然である。その理由は、地域にある資源を使えば、資源の域内調達率を高め、地域の経済振興につながると考えられるからだ(小磯, 2013)。そのため、いかに地域資源を活用できるかが重要になるが、地域づくりにおける資源の活用方法についての考察や資源開発の成功例についての報告は多いが、資源の特性に応じた手法の選択や開発の方向性などの研究は少ない。また、どのような戦略に基づいて地域づくりで資源を活用するのか示唆したものは少ない。なお四本(2014)は、地域の意向を無視して自分に都合がよい資源を資源開発者が選択することや、消費者ニーズに過剰に反応して地域資源を乱開発するなど、地域資源利用における問題を指摘しているが、その対抗策や新たな方向性は示していない。
 そこで本論文では、地域づくりにおける資源の活用方法を考察し、改めてその活用戦略を議論した。そして、原料としての資源への依存度である「資源性の強さ」と、生産や消費に付随して必要とされる文化6 への依存度である「文化性の強さ」に基づき、資源活用プロセスを分析した。そして「資源性が強い商品化」と、生産のための知識や技術に依拠した「文化性が強い商品化」の差を明らかにした。さらに販売と消費における市場の範囲の差を考慮し、地域資源の活用を4つのパターンに分類したうえで、地域づくりに必要な地域の資源活用戦略を遂行するための知識マネジメントについて議論した。

地域プラットフォームって何だろう?

【出典】敷田麻実・森重昌之・中村壯一郎(2012)「中間システムの役割を持つ地域プラットフォームの必要性とその構造分析 」『国際広報メディア・観光学ジャーナル』14, pp.23-42.


さわりの部分・・・・・

プラットフォーム(platform)という言葉は「基盤」や「土台」という意味を持ち、さまざまな分野で使われる用語である。(中略)このように、地域づくりに多様なアクター(住民・関係者)がかかわるしくみを総称して、地域のプラットフォームと呼ぶ例が多い。(中略)

そこで本論文では、これまで主に経営学や知識科学の分野で議論されてきたプラットフォームに関する先行研究をレビューし、その用法や特徴を整理した。次いで、地域の変化を地域内のアクター間の関係と地域の開放度の軸で整理したモデルを提示し、地域プラットフォームが必要とされていることを明らかにした。そして、神奈川県小田原市およびその周辺地域で事業や地域の発展をめざす市民団体である「小田原足柄異業種勉強会」の活動を取り上げ、地域プラットフォームの具体的な特徴を参与観察によって分析する。その上で、地域資源の維持可能な利用を前提に、地域内外のアクターの関係に着目した「関係性モデル」(敷田ほか2009)と「中間システム」(敷田・森重2008;森重・敷田2008)を応用し、「中間システムの役割を持つ地域プラットフォーム」について考察した。

本業でバリバリ働くことだけが正しい選択か?

【出典】敷田麻実(2010)「専門家の創造的な働き方としてのハーフシフトの提案:科学技術コミュニケーターとしての隣接領域での無償労働」,『科学技術コミュニケーション』, 8,pp.27-38.

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さわりの部分・・・・・

職業的科学技術コミュニケーターの必要性を議論するのではなく、ある科学技術分野の専門家が収入を得るための仕事を維持しながら、同時に自由度の高い科学技術コミュニケーターとしての活動を担うことを検討した。その際に、こうした働き方を科学技術の専門家だけではなく、一般の専門家の働き方として議論した。その理由は、科学技術の専門家という限られた条件での考察よりも、一般化して専門家の働き方や活動のあり方として考察する方が説得力が高いと判断したからである。

そのため、まず個人の労働環境の変化や働き方にかんする状況を、先行研究や関連分野の議論から整理し、主たる有償労働とは異なるボランティアなどで社会参加する「分離型」ではない、本務の仕事と関連する分野で主体的に活動するモデル、「ハーフシフト」モデルとして一般化した。

地域づくりにかかわる専門家はゆるやかでいいの?

【出典】敷田麻実(2010) 「地域づくりにおける専門家にかんする研究:「ゆるやかな専門性」と「有限責任の専門家」の提案 」, 『国際広報メディア・観光ジャーナル』,(11),pp. 35-60.

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さわりの部分・・・・・

(中  略)

そこで本論文では、地域づくりにおける地域と専門家のかかわりを先行研究や事例を参照しながら分析し、地域における専門性のあり方や専門家と地域との関係について考察する。そして、地域における「ゆるやかな専門性」と「有限責任の専門家」について提案し、専門家が地域づくりに必要であるという立場に立ち、地域が専門家とどうかかわるかを明確にした。また専門家と地域関係者の関係が新たな価値を生み出すという「関係性構築」についても言及する。(以下略)

よそ者論文2005を改訂?しました よそ者論を知れば怖くない地域づくり

【出典】敷田麻実(2009)「よそ者と地域づくりにおけるその役割にかんする研究 」『国際広報メディア・観光学ジャーナル』, No.9, pp.79-100 .

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さわりの部分・・・・・

(中 略)

よそ者とは、自分たちとは異質な存在と認識され、「よそ者(余所者)」や「旅の人」または「風の人」など、主に地域外から来る人びとを指している。しかし、地域づくりの現場で、どうしてよそ者が積極的に評価されるのか、また地域づくりによそ者が寄与できる理由は何なのかなど、地域づくりにおける「よそ者効果」やそのメカニズムは明らかにされていない。そのため、素朴な「よそ者信仰」が地域づくりの現場で喧伝されることも多く、よそ者に過度に依存するなどの誤った選択が行われることも多い。

(中 略)

そこで本稿では、従来の一般的な「よそ者論」ではない、地域づくりにおけるよそ者の存在とその特性について考察することを試みた。そしてよそ者が持つ「効果」を積極的に評価したうえで、地域がよそ者との関係性を維持しながら相互変容するプロセスをほんらいの地域づくりであるとし、観光や交流についての言及したうえで、よそ者について考察した。

エコツーリズムの理念と仕組みって何だろう

【出典】敷田麻実(2008)「エコツーリズムとは何か:不透明な選択肢から地域自律への選択 」, 市民政策,(58),pp. 4-13.

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さわりの部分・・・・・

今世紀に入ってから主に環境省によって支援されてきた国内の「エコツーリズム」は、今年大きな節目を迎えた。この4月1日に「エコツーリズム推進法」が施行されたからだ。エコツーリズムは、「環境にやさしい」社会を追い風に、観光現場ばかりではなく、環境保全や地域づくり関係者も大きく期待している。推進法の施行によってエコツーリズムにかんする制度が整備され、社会的にもいっそうの認知が進むだろう。

実際、地域の観光現場でもオプショナルツアーで自然体験や体験学習ができるプログラムが増えている。手近な観光地のパンフレットを見ても、おそらく「エコツアー」という文字を見ることができるだろう。環境を保全しながら学び、楽しむという新しいスタイルの観光は着実に観光現場で広がり始めている(図 1)。そこでこの報告では、エコツーリズムとは何かを解説したうえで、地域はエコツーリズムをどのように推進すればいいのかを考えたい。

「よそ者」って本当に必要?地域づくりやまちづくりでの疑問を解決

「よそ者」論の決定版。地域づくりやまちづくりの講演会やシンポジウムでは「純朴」に「よそ者が地域づくりに必要だ」というコンサルタントや研究者が多い。しかし彼らは本当に正しいのだろうか?

【出典】敷田麻実(2005)「よそ者と協働する地域づくりの可能性に関する研究 」,えぬのくに, (50),pp. 74-85.

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さわりの部分・・・・・

1.はじめに

よそ者とは一般に、同じ地域や空間内部にいる関係者ではなく、自分たちとは異質な存在として捉えられる人である。日常生活の中でも、「余所者(よそ者)」や「旅の人」または「風の人」として、主に地域外から来る人々を指すことが多い。そこには、自分たちとの区別を意識した「差」が存在し、自分は相手とは異なるという主張が込められている。

こうした差は時に「差別」につながり、地域内の自分たちとよそ者の差を、過度に強調することも多い。それは、地域内の人々(身内)が外から入って来る者より優れていることや、逆によそ者が地域内の自分たちを凌駕したり、害悪を持ち込んで禍をもたらしたりすることへの懸念を暗黙の前提にしている。よそ者に対するこのような設定は、意識的にまた無意識に、地域内の自分たちとの差を演出することで生み出されたと考えることができる。

(中略)

そこでこの論文では、地域づくりの中で一般に使われる「さまざまなよそ者」(以下「よそ者」に統一。)を定義し、地域との関係を明らかにした上で、地域の中で果たす役割を議論し、その役割が発揮される際のメカニズムを考察した。そして、よそ者と協働する地域づくりの可能性を提案した。

注)本文中の引用箇所及び文献リストで「松井(2004)」となっている箇所は正しくは『松村(2004)』です。お詫びして訂正します。(松村正治「環境的正義の来歴―西表島大富地区における農地開発問題」松井健編『沖縄列島 シマの自然と伝統のゆくえ』東京大学出版会、 49~70p、 2004年)

わがままな専門家が多いと感じていませんか?でも彼らをうまく使うことが必要・・

地域でもなんだかんだと専門家を呼ぶことが多いのですが、威張るだけの専門家や、突飛なこという専門家が多くありませんか?地域と専門家の関係についてまじめに考えたのがこの論文です。

【出典】敷田麻実・森重昌之(2006)地域環境政策に専門家はどうかかわるか-地域自立型マネジメントとその実現を支援する専門家のかかわり 「環境経済・政策研究の動向と展望,」環境経済・政策学会編,194-209.

さわりの部分・・・・・

(中略)地域環境政策において専門的知識の活用機会が増える中で、「研究者や専門家がどのように地域とかかわりを持つか」は地域にとって重要な問題である。そこで本稿では、外部者である研究者や専門家が地域とかかわりを持つ背景を整理したうえで、どのようなかかわり方が望ましいかを分析し、そこから地域環境政策の実現にどう貢献できるかについて展望した。

このような分析は先行研究としていくつか試みられており、代表例としてGibbons(1997)のモード論があげられる。また現場からの提案としては山田(2001)や嘉田(2001)などがあるが、先のモード論以外は一般化して述べられている例は少ない。しかし開発経済学などの分野では、「外部者である研究者や専門家がどのように援助地域やその住民と関係するか」についての優れた分析が出ており(佐藤 2005)、地域とかかわることの多い環境政策分野においても同様の分析が必要である。

ところで、研究者や専門家が地域にどうかかわるかという議論では、地域外の企業や巨大公共事業による開発に対して、「外部者」としての研究者や専門家が、地域の推進派あるいは反対派に立つかどうかという二者択一論も多い。このような研究者や専門家の「立ち位置」についての問題もあるが、それよりも本稿では「知識や技術を持った者」としての研究者や専門家が地域とかかわるという視点を重視した。また研究者や専門家が、その立場を超えて地域で環境保全活動などの中心的役割を担う場合も考えられるが、基本的には「外部者」としての研究者や専門家が地域環境政策にかかわる場合に注目した。

こちらでもご紹介いただきました (2010.8.13)

知識共有すれば怖くない? 知識創造と学習への参加の関係とは・・

知識って目に見えません。そんなものを共有するったって、そりゃあ無理、という声が聞こえてきます。地域づくりで応用可能な「計画的な学習方法」はないのだろうか。いつも体当たりと、出たとこ勝負しかないのだろうか地域づくりは。。。。

【出典】敷田麻実( 2005 )知識共有と知識創造、学習への参加 , 経営システム, 15(3),pp.146-150.

さわりの部分・・・・・

この企画のテーマは「社会・ビジネス・マネジメントの新結合:sharing wisdom」であり、企画者の解題によれば、価値観が多様化した社会において、経営工学分野でも新しい社会モデルとビジネスモデルを結びつけた「新しいマネジメント」への期待を具体化したいということである。新たなマネジメントが経営工学の範疇から生み出されるか、それを生みそれを生み出すために経営工学自身の姿を変えるかという議論はあるが、本稿ではひとまずこれからの社会が求めるマネジメント像として、価値創出型マネジメントについて議論したい。そして、そのためには新たな知識を創造すること、つまり知識創造が価値創出の源泉だとして、新たな価値を創造してゆくマネジメントの姿と手法について述べたい。

大学の研究室やゼミの運営ってどんな戦略でやればいいの?

大学の研究室やゼミは新たな知識をつくり出すダイナミックな創造の場です。でもその運営は必ずしもうまくいかず、教員も学生も悩むことも多いのが普通です。そこをオープンな知識創造の場としてとらえ、サーキットモデルによる「スパイラルアップ」を可能としましょう。創造的な学習を進めるための学習プロセスはかくあるべしという設計書です。

【出典】敷田麻実(2005)サーキットモデルによる創成教育の学習モデル , 工学教育,53(1),pp. 35-40

さわりの部分・・・・・

1. はじめに

知識の価値が増大し、知識をどう利用するか、どう生み出すかが問われる「知識社会」が到来しつつあると言われている。そのため、価値ある知識をいかに生み出すかについて関心が高まり、分野を超えて「知識創造」や「創造性」に注目が集まっている。例えば、ランドリーやFloridaが都市と創造性に関して、またクラインが起業と創造には強い関係があると分析している。

この傾向は工学分野でも同様で、ホンダで長く開発を担当した久米は、開発には創造性が必要だと明快に指摘している5)。そして工学の中核をなす生産システムで、創造性を最大限に生かす「オープンソース」型のシステムも現実になってきた。そのため、新たな知識を生み出すための「学習プロセス」が必然的に重要なテーマになっている。それは知識の伝達を基本とした従来の「教え込み」型ではなく、知識創造型である。最近、工学教育の中で取り入れられている「創成教育」や「創成科目」、また都倉らが主張するPBL(problem based learning)も、こうした流れの中に位置づけることができる。

そこで、知識を創造することに着目したうえで、知識の教え込み型ではない、創造的な学習を進めるための学習プロセスを検討し、教育現場で利用可能な新たなモデル、「サーキットモデル」として提案した。

著者にコンタクトしてみよう。。。。

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アクセスと連絡先

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