JAISTサマースクール2020

計算論的認知科学入門~認知科学者のための圏論入門

趣旨:人の認知過程を研究する学際的分野として認知科学がある。認知科学は初期の実験心理学で提唱された行動主義へのアンチテーゼとして、人工知能と共に興り、人の認知・知能を情報処理に喩えることで理解しようとする。欧米などの認知科学研究ではこうした分野創成の精神が基礎づいているものの、日本の認知科学分野では、こうした情報処理を基礎とする研究アプローチが根付いているとは言い難い。おそらく、一般的な実験研究に比べて、理論研究を始めるにあたっての基礎知識や、ノウハウ、また背景にある思想を理解するのが難しいことにその一因がある。本サマースクールでは、計算論的認知科学分野の最新の知見や技術の紹介に加えて、初学者が人の行動や認知を理論的に探求するために必要な素養を培うための基礎を学ぶ場を提供する。
第三回目の今年は、近年関心の高まっている圏論に焦点を当てて、その基礎と応用を学ぶ2日間にする。具体的には、初日は少人数に絞った圏論の入門・チュートリアルで演習を中心とした内容にする。二日目は圏論を応用した研究を紹介する内容を予定している。例年、JAISTキャンパスで開催している本サマースクールであるが、昨今の感染症の情勢を鑑みて今年はオンライン開催とする。

(参考:サマースクール2018 計算論的認知科学入門~心の哲学、実験から機械学習まで
サマースクール2019 計算論的認知科学入門~身体から読みとる認知過程

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日時・会場:2020年11月21-22日
Webexオンライン会議システム (北陸先端科学技術大学院大学
知識科学II棟4階K42室)

講師(11月21日):日髙昇平准教授(JAIST),鳥居拓馬助教(JAIST),布山美慕講師 (早稲田大学),岡崎優実(JAIST),亀井暁孝(JAIST)

招待講演(11月22日):
1.丸山 善宏氏 (
The Australian National University)
「圏論的人工知能と圏論的認知科学」

2.谷村省吾氏 (名古屋大学大学院情報学研究科 )
「計量と圏論―測ることと関係づけること」

対象者:学部生,大学院生,研究員等
・人の認知の研究に関心をもつ者
・計算論的モデリングに興味がある者
・専門分野や背景知識は問わない

定員:20名程度(11/ 21: 入門編)および100名程度(11/22:オンライン講演)
定員超過の場合、参加動機や年齢等(若手優先)、全日参加者優先した上で、早期に申し込みを締め切り場合がありますので、ご希望の方は早めにお申し込みください。

参加費:無料
ただし交通費・宿泊費は自己負担

応募締切:10月21日(水) 17:00
参加可否通知10月23日(金) 12:00 (11/21の入門編参加希望者には参加可否を通知いたしました。10/23)

参加応募:こちらの申し込みフォームからお願いします。(21日入門編の受付は終了いたしました。22日招待講演の参加は引き続き受け付けております。)定員に達したため、参加募集を締め切りました。多数の応募ありがとうございました。(11/16)

プログラム こちらに公開しました(10/23)

日程表(概要):
1日目(基礎・入門論)認知科学基礎論,圏論入門への動機づけ,圏・関手・自然変換・随伴への導入(および演習),圏論検定
2日目(応用研究編)圏論検定の解説,認知科学における圏論の応用,招待講演

※1日目は9:30開始-18:00終了(1時間昼休憩)、2日目9:3010:00開始(招待講演は 13:00-17:00で2件)を予定しております。

交通・宿泊等:
原則オンラインにて開講いたしますが、実地(北陸先端大石川キャンパス)での参加希望の方は、必要に応じて各自宿泊施設を確保いただければと思います。以下の交通・宿泊にかんする情報をご参照ください。

石川サイエンスパーク内 ハイテク交流センター に宿泊施設があります(シングル×4,ツイン×4).
ハイテク交流センターは,JAISTに所用の方は割引がありますので,お問合せください.
北陸鉄道 石川線 利用の場合,野町・片町周辺のホテルをご利用ください.
本学シャトルバス 小松線 利用の場合,小松駅 周辺のホテルをご利用ください.

お問合せ:
代表:日髙昇平
cogcompschool(at)jaist.ac.jp

Frequently asked questions

Q1: サマースクールの開始時間はいつでしょうか。

A1: 1日目は9:30開始、2日目、3日目は10:00開始を予定しております。(前回のプログラムもご参考ください。)

Q2: プログラムの詳細はいつ公開されるのでしょうか。

A2: 9月末をめどに詳細を上記ウェブサイトに更新予定です。

Q3: ホテル予約について (参加可否の連絡の時期)

A3: 10月23日までに参加可否のお知らせしたいと思っております。ほとんどのホテル等ではキャンセル料のかからない時期だと思います。したがって、お手数ですがご予約のうえ、仮に参加されない場合にはキャンセルしていただくことをお勧めいたします。

Q4: ハイテク交流センターの減免措置

A4: JAIST近隣のハイテク交流センターにご宿泊予定の方は、事後的にも減免措置の手続きは可能ですので、予約をご検討の方は現時点で予約をしていただいても大丈夫です(お電話予約の場合は減免措置を得る旨をお伝えしたほうがスムーズだと思います。)。

Q5: バス予約時間の変更について

A5: バスの予約の変更がございましたら、お手数ですが申し込みフォームにて、再度バスの予約時間をお送りください。申し込み締め切りの時点で最終的にお申込みいただいたバスの予約時間で予約をいたします。

Q6: 参加・演習などに関する準備

A6: 基本的にWebexオンライン会議システム(Zoomに似たシステム)を使用します。開催1週間前までにご登録のメールアドレスにURLをお送りいたしますので、オンラインミーティングの準備をお願いします。演習は基本的に”紙と鉛筆”を使った数学的な演習ですので、必要に応じて問題を印刷するなどしていただければと思います。