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Graduates Voice

小西 武雄 さん
小西 武雄 さん
2017年 博士前期課程修了
【在籍時研究テーマ】

「Cat-CVD a-Si膜に対するITOスパッタダメージとその回復」

大平研究室を選んだ理由

 大学卒業後、他社で働いていた際、情報収集のためにPV Japan(現:太陽光発電展示会&フォーラム)に行ったことがきっかけです。そこで大平研のブースを偶然見つけ、太陽光業界で最も普及しているシリコン系太陽電池について主にCat-CVD技術を用いて研究していることを知りました。前職ではCVD装置を扱っており、かねてから太陽光発電に関わる仕事に携わりたいと思っていたので、大平研究室の研究内容に興味を抱き、この研究室で太陽電池のことを学びたいと思うようになりました。

大平研究室での研究内容

 Cat-CVD a-Siパッシベーション膜を用いて作製したシリコンヘテロ接合型太陽電池へのITOスパッタダメージとその回復について研究を行っていました。近年市場に出回っている太陽電池の多くはシリコン系であり、その中でも高効率として注目されているのがシリコンヘテロ接合型 (SHJ) 太陽電池です。SHJ太陽電池は結晶シリコン (c-Si) と非結晶シリコン (a-Si) を組み合わせることで、高効率を実現しました。SHJ太陽電池を作製する場合にはキャリア輸送層としてa-Si上に透明導電膜 (ITO) が使用されます。ただし、透明導電膜を製膜する際には通常スパッタ装置が用いられており、下地層のa-Si膜に対してプラズマダメージによるパッシベーション能力低下を引き起こすことが問題となっていました。
大平研では現在Cat-CVDという独自技術で、高品質なa-Siパッシベーション膜を製膜可能です。私はCat-CVD a-Si膜に対するダメージの原因とその回復方法について、研究を行いました。

研究室での思い出

 私は社会人から退社して入学したため、入学直後の授業に付いていくには分からないことだらけで本当に苦労しました。ですが、同じ研究室の同級生や諸先輩方のサポートがあり、何とか難しいテストも乗り切ることが出来ました。テスト期間は朝から晩まで勉強し、おそらく人生で一番勉強した時間ではないかと思います。
 大平研では研究課題こそ与えてくれますが、研究活動自体は基本的に各個人に委ねられています。私はとにかく太陽電池について学び研究する時間が欲しかったため、研究室の知識豊富な先輩方や同級生を誘って勉強会の時間を作ったり、国際学会の機会も積極的に応募するようにしました。おかげで太陽電池に関する知識は勿論ですが、難しい場面でも自ら考え、積極的に行動することで物事を解決する大切さや達成感を学びました。また、私はMαコース(3年間で修士号を取得するコース)を選択していましたが、研究室の方々からのサポートもあり2年間で修了することが出来ました。
 研究以外の思い出としては、やはり白山登山が一番の思い出です。皆で苦労しながらも登頂し、白山頂上で雲の間から日の出を観れたのは感激でした。また、ソフトボール大会を連覇できたことや毎週の勉強会後によく皆と金沢方面へ昼ごはんを食べに行ったこと、大自然の中でBBQや花見など、楽しかった思い出は沢山あります。

学生へのメッセージ

 JAISTでの生活は牢獄のようだと思っていましたが、入学してみたら充実した日々であっという間でした。皆さんを支えるJAISTの環境は素晴らしいと思います。また、私みたいに社会人からでも、入学後にしっかりと基礎知識を学ぶことが可能です。是非、自らの目標のために積極的にトライしてみて下さい。
 大平研では、研究活動を通じて国際学会や筆頭論文作成等、様々な経験を得る機会があります。私は国際学会参加や査読付き論文に応募、掲載されたことが評価され、日本学生支援機構から受けた奨学金が全額免除になりました。あとは…毎朝のミーティングのお陰で早起きになれます。(笑)