第9回 知識共創フォーラム 発表募集案内:「理解」の側面へのアプローチ

以下の通り、第9回 知識共創フォーラム のご案内をお送りいたします。
今回は。様々な「理解」の側面へのアプローチをテーマとしたセッションを中心に幅広い研究発表を募集しております。
ご参加をお待ちしております。


第9回 知識共創フォーラム 発表募集案内

個人や組織における知識の創造・共有・活用に潜む知的神秘を解明し,より高度に成熟した知識社会を実現していくための指針を提案していくことは,知識科学の大きな学術的使命です.
このような意識のもと,研究報告者と参加者が知識を共に創造していくことを通じ,広く知識科学研究の基盤を形成していくことを目的として,第9回知識共創フォーラムを開催します.

会期:平成31年3月7日(木),8日(金)
会場:石川県政記念 しいのき迎賓館
住所:石川県金沢市広坂2丁目1-1

1.主な構成
第9回知識共創フォーラムは,以下の5種類のセッションによって構成されます.

[I] 招待講演セッション:
招待講演タイトル:「理解の多様な側面へのアプローチ」
招待講演者:植田一博 教授 (東京大学)

[II] テーマセッション:「理解の多様な側面へのアプローチ」(20分発表,20分合同質疑応答)

我々の知識には大別して、暗黙的に構成される知識(暗黙知)と形式的な構造を持つ知識(形式知)があります。
暗黙的な知識の代表例は、手続き的知識で、繰り返し学習による特定課題への漸近的な最適化として説明されます。一方、形式的な知識の代表例は、宣言的知識で、命題によって記述され演繹的な推論の基礎となります。
こうした“静的な”形式知の見方に反し、人の知識は暗黙知から新たな形式知、あるいは形式知から新たな暗黙知へと相互の変化を通じて動的に生み出されるという描像が、より実践的な人の知識創造の描像として適している(Nonaka & Takeuchi, 1995)との見方があります。今回の知識共創フォーラムでは、暗黙知が形式知へと顕在化・結晶化する過程の中核的な認知過程とみられる「理解」を主題とし、「理解」を多様な観点から論じることを中核と位置付けます。

例として以下のような多様な理解の側面へのアプローチを試みる研究を想定します。
●他者の意図の理解
●言語理解
●気づき、洞察、セレンディピティ、イノベーション創成
●社会や組織における相互理解の役割
●理解と知識創造、理解と価値創造
●自然現象・社会現象の理解への科学哲学的アプローチ
●教育(教授者および学習者)における理解
●異文化理解への人類学的アプローチ

[III] 一般セッション(20分発表,20分質疑応答)
本セッションでは,各自の知識科学研究の成果を報告し研究を進めることを目的とします.

[IV] シーズ(種)セッション(15分発表,20分質疑応答)
知識の創造・活用を促進させると考えられる,自らの持つ技術やコンセプトの種を成長させることが目的のセッションです.

[Ⅴ] インタラクティブセッション(1時間30分発表)
発表者と参加者たちの間で長時間・双方向のインタラクションが望まれる知識科学に関する研究成果についてポスター形式で発表し,参加者との知識共創によって研究をさらに発展させること目的とします.

2.対象課題
知識の創造・共有・活用に関わるあらゆる研究を対象とします.特に,以下の課題に関係のある話題を歓迎しますが,これに限るものではありません.

(1) 幅広い視野に基づいた社会や生活における知識の深い洞察と問題提起
(2) 知識の創造・共有・活用に関わる前例にとらわれない独創的な仮説やモデルの構築
(3) 知識を適切に抽出・評価できる方法論による仮説検証とモデルの洗練

(参考キーワード)
知識科学,ナレッジ・マネジメント,研究開発マネジメント,イノベーション・マネジメント,サービス・サイエンス,医療サービス,
知識表現,知識発見,メディア・インタラクション,発想支援システム,スキルサイエンス,デザイン思考,感性情報処理,知識獲得,
身体化された認知,認知モデル,制度設計,知識経済,意思決定分析,認知科学,公共政策,地域経営,地域イノベーション,知識人類学

3.本フォーラムでの発表の取扱い
(i) 発表のアブストラクト(日本語の場合は1000字程度,英語の場合は400語程度,かつA4で2ページ以内)を,
下記の「5.投稿方法」に従って投稿していただきます.
(ii) アブストラクトの内容を査読した上で採否を決定します.
(iii) [II]~[IV]のセッションに採録された方にはフォーラム開催の前に発表に関する研究会報告資料を提出していただきます(ページ数は4-10).なお,インタラクティブセッションに採録された方の研究会報告資料の提出は任意とします.提出された研究会報告資料は同意された方のみウェブサイトを通じて公表されます.
本フォーラムでは若手研究者(学生も含む)の発表を歓迎しております.研究途上のものであってもシーズセッションやインタラクティブセッションにおける発表と議論を通じて、研究のさらなる発展が行われることを期待しております.

4.主なスケジュール
・アブストラクト投稿締切 :平成31年1月18日(金)
・採録通知 :平成31年1月末
・研究会報告資料提出   :平成31年2月22日(金)
・第9回知識共創フォーラム :平成31年3月7日(木),8日(金)

5.投稿方法
・知識共創フォーラムのwebサイト<http://www.jaist.ac.jp/fokcs>にアクセスし,登録の上,論文のアブストラクトのPDFファイルをアップロードして下さい.

・投稿に際して,テーマセッション,一般セッション,シーズセッション,インタラクティブセッションのどれに投稿するかを指定していただきます.ただし,選考結果によっては,ご希望のセッションとは異なるセッションに割り当てられることがあります.

6.論文賞
[II]~[IV]のセッションにて発表された方の中から優秀であると認められた発表に対して賞を授与します.この他に,公共政策,地域経営の実践に寄与する優れた研究に対し,石川県能美市より能美市長賞が贈られます.
また,本フォーラムでの質疑応答をもとに後日改訂された論文の中から優秀であると認められた論文に対しても賞が授与されます(こちらは[Ⅴ]インタラクティブセッションの論文も選考の対象となります).

7.問合せ先
知識共創フォーラム事務局
Email: <office-fokcs  -at- onto.jaist.ac.jp>