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受賞

学生の岸本さんが第32回国際P2M学会研究発表大会において発表奨励賞を受賞

 学生の岸本 眞一郎さん(博士後期課程2年、知識マネジメント領域、ダム研究室)が第32回国際P2M学会研究発表大会において発表奨励賞を受賞しました。

 第32回国際P2M学会研究発表大会は、「オープンでアジャイルなイノベーションマネジメントとP2M」をテーマに、10月24日にオンラインにて開催されました。
 発表奨励賞は、同大会において、発表の技術及び内容が優れており、将来性が認められる発表を行った会員を表彰するものです。

■受賞年月日
 令和3年10月24日

■研究題目
「COVID-19時代の非接触オープンアジャイルな研究・イノベーションP2Mの可能性
-- 問題の明晰化, 分析枠組みの提案, 実践適用の例示の試み--」

■研究概要
 従来の研究とイノベーションに向けたP2M(以下、「P2M for RI」。)では、ラボでの人員の物理的集中により、複数人での効率的な実験行為、議論の活性化、知識・技能の継承等を図ることが常識的慣習でした。しかし、2019年末に始まったCOVID-19の蔓延により、産学官各界にては前記慣習を感染防止の観点から制限せざるを得ない状況にあります。この逆境下、非接触オープンアジャイルなP2M for RIの実践において〈なにが問題なのか〉の解明、その問題の解決方略の模索は喫緊の課題といえます。
 本研究では、これらの課題の克服に向けて糸口を見出すべく、
 1.問題の明晰化
 2.1にて挙げたMerleau-Ponty的な身体化
  (Embodiment)の問題に対する分析枠組みの提案
 3.2の実践適用の例示
を試みました。3にては、企業間の研究作業受委託プロジェクトの実例を取り上げ、Nonakaらの知識創造理論と後期Husserl現象学の応用が、実際の遠隔環境下での技術継承の成否について重要な示唆を与えることを示しました。本研究にてデモンストレートされた仮説と示唆は、COVID-19時代の研究とイノベーションにおいて現場の人々が直面する問題の一端を明らかにするとともに、次世代的なP2M for RIの理論構築と実践高度化に寄与するものと考えられます。

■受賞にあたって一言
 望外の喜びです。本研究は、これまでのJAIST知識科学系 東京社会人コース 技術経営(MOT)プログラムにて各教員方から学んだこと、学生諸兄らと議論し合ったこと、ご協力いただいた企業の皆様や学外の先生方から賜った示唆と薫陶、それらの蓄積の土壌から芽生えたものです。関係者各位に感謝申し上げます。
 プロジェクト&プログラムマネジメント(P2M)は、2001年、日本国 経済産業省の指導のもと策定された、価値共創とイノベーションの仕組みづくりに関する統合的な標準体系です。本研究が、プロジェクトおよびプログラムマネジメントについての学術的な寄与のみならず、わが国およびグローバルな価値共創とイノベーションの現場実践に良い風をもたらすものになることを祈っております。これからも学問と現場の両面にわたり貢献すべく、襟を正して参ります。

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令和3年12月13日

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