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受賞

学生の中島さんが日本太陽光発電学会第20回「次世代の太陽光発電システム」シンポジウムにおいてInnovative PV奨励賞を受賞

 学生の中島寛記さん(博士後期課程3年、サスティナブルイノベーション研究領域、大平研究室)が第20回「次世代の太陽光発電システム」シンポジウム(第3回日本太陽光発電学会学術講演会)においてInnovative PV奨励賞を受賞しました。

 日本太陽光発電学会は、太陽光発電に関連する学術分野の研究の促進ならびに成果の普及に関する事業を行い、将来の脱炭素社会の実現とその発展に寄与することを目的としています。
 同シンポジウムは、国内の太陽光発電にかかわる研究者や技術者が一堂に会し、分野の垣根なく議論する場として開催されています。
 Innovative PV奨励賞は、同シンポジウムにおいて発表された、太陽光発電ならびにその関連分野の発展に貢献しうる優秀な講演論文を発表した35歳以下の同会若手会員に対し授与されるものです。

※参考:日本太陽光発電学会ホームページ

■受賞年月日
 令和5年8月31日

■論文タイトル
 硝酸アルミニウム酸化処理により形成した p+反転層のピラミッドテクスチャ n 型結晶 Si 表面での有効性

■研究者、著者
 中島 寛記、Huynh Thi Cam Tu、大平 圭介
 
■受賞対象となった研究の内容
 n型結晶Si太陽電池のp+エミッタ層に利用されているB拡散層の形成には、1000 °C程度の高温加熱処理が必要となり、これが太陽電池製造のスループットを低下させている。さらに、Si中に拡散したBは、欠陥準位を形成し、太陽電池特性の劣化を引き起こす。そこで、本研究では、Si基板を硝酸アルミニウムの水溶液に浸漬するだけという非常に簡便なプロセスで、Si基板表面に超極薄のAlドープSiOx膜を形成し、その膜によって誘起されるp+反転層が、n型結晶Si太陽電池のエミッタ層として機能することを実証した。本公演では、AlドープSiOx膜に誘起された負の固定電荷がピラミッドテクスチャ形状を有するSi表面で増強され、良好な表面パッシベーション性能と太陽電池セル特性が得られたことについて報告し、簡便な湿式処理だけで、高効率・低コストの結晶Si太陽電池を製造できる可能性を示した。

■受賞にあたって一言
 この度は、日本太陽光発電学会Innovative PV奨励賞に選定いただきましたこと大変光栄なことと感じております。今後も本技術の実用化を目指し、研究に邁進する所存です。日頃よりご指導いただいております大平圭介教授、HUYNH, Tu Thi Cam特任助教をはじめとした大平研究室の皆様に心より感謝申し上げます。なお、本研究は、JST次世代研究者挑戦的研究プログラムの助成を受けて実施されたものです。この場をお借りして御礼申し上げます。

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令和5年9月22日

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