物質化学フロンティア研究領域の松見紀佳教授がSpringer Nature「Editorial Contribution Award」を受賞
物質化学フロンティア研究領域の松見紀佳教授 が、Springer Natureが刊行する学術誌 『Polymer Bulletin』の編集長(Editor-in-Chief)としての貢献が高く評価され、Springer Nature Editor of Distinction Awards 2026の「Editorial Contribution Award」を受賞しました。
同賞は、投稿論文の綿密な評価および査読プロセスの厳格な管理を通じて、掲載論文の科学的正確性の維持に貢献した編集者に授与される賞です。
■受賞にあたって一言
Polymer Bulletin誌は日本の高分子化学の黎明期における意義深い背景を有したジャーナルです。故三枝武夫先生(京都大学名誉教授)は、立体特異性Ziegler-Natta重合の先駆けを目指してNatta(後にノーベル化学賞を受賞)と熾烈な研究競争を展開されていました。しかし、当時は京都からドイツへ船便で改訂稿を送付するために片道に一カ月以上を要する地理的事情のなか、僅かの差でNattaが本研究において先駆ける結果となりました。以降、三枝先生は、日本人がリーダーシップを発揮する欧州ジャーナルの創刊が急務とお考えになり、Polymer Bulletin誌を創刊し、自ら編集長となられました。三枝先生の在りし日のご講演で創刊のいきさつを拝聴し、フロンティア精神に深い感銘を覚えました。その後同ジャーナルは中條善樹先生(京都大学名誉教授)がEditor-in-Chiefを引き継がれ、三枝先生が灯された灯を守りつつ発展させてこられました。その後、中條先生のご退任を機に、同ジャーナルのCo-Editor-in-Chiefを拝命して現在に至っています。時代の移ろいと共にジャーナルの役割も変化しつつありますが、最新のインパクトファクターは4.2(2025)であり、今日もなお成長を続けているジャーナルです。今回の受賞を励みに、今後も創刊の精神を忘れず、日本の優秀な若手研究者の方々に選んでいただけるジャーナルであるよう微力を尽くしたいと考えています。
令和8年6月18日
