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環境・エネルギー領域の高田助教と物質化学領域の木田助教の研究課題が小笠原敏晶記念財団の研究助成に採択

 公益財団法人 小笠原敏晶記念財団の研究助成「一般研究助成」に環境・エネルギー領域の高田 健司助教および物質化学領域の木田 拓充助教の研究課題が採択されました。

 小笠原敏晶記念財団では、わが国の産業の発達に寄与することを目的として、理学・工学の領域において健全な発展の一助となる助成活動が行われています。一般研究助成は、高分子分野における、新素材・加工技術・新機能に関する研究開発に対して助成する制度です。

*詳しくは、小笠原敏晶記念財団ホームページをご覧ください。

研究者名】環境・エネルギー領域 高田 健司助教
  • 採択期間:令和4年4月~令和5年3月
  • 研究課題名:主鎖型ポリ桂皮酸ブロックポリマーのミクロ相分離構造の制御と光変形性の精密制御
  • 研究概要:光エネルギーを運動エネルギーへと変換することができる光変形性材料はサスティナブルマテリアルとして注目されており、その変形挙動の制御や機能化法の確立が急務の課題となっています。本研究では、私たちが従来から研究してきた光応答性材料の開発と、有機分子触媒を利用したリビング重合技術を発展させ、ポリマーのミクロ相分離にもとづく多彩な変形挙動を有した新しい光応答材料の創出を目的としています。
  • 採択にあたって一言:本研究課題を採択頂き大変嬉しく存じます。また、小笠原敏晶記念財団、および本助成の選考委員会の皆様に深く感謝申し上げます。本研究が、地球の環境・エネルギー問題に資するものになるよう邁進してまいります。また、本研究に関して多大なアドバイスをいただいた金子達雄教授はじめ、様々な知見を頂いた研究室の皆様、および研究協力者の方々にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
研究者名】物質化学領域 木田 拓充助教
  • 採択期間:令和4年4月~令和6年3月
  • 研究課題名:重水素化プローブ分子鎖の直接観察による高分子材料の結晶化機構に与える分子量分布の影響の解明
  • 研究概要:高分子材料において、分子量分布(分子鎖長分布)は材料物性を決定する最も重要な分子パラメータの一つです。我々の日常生活で多く利用されているポリエチレン(PE)は分子鎖が部分的に結晶化する結晶性高分子に分類され、分子量分布の平均値や分散度の違いで結晶度や結晶厚など結晶構造が著しく変化し、結果として材料物性に大きな違いが現れます。従来の研究においても、分子量分布の形状と結晶構造の関係についてはさまざまな報告が行われてきましたが、具体的にどの分子量成分が、どのように結晶構造の形成に影響を与えているかを理解することができませんでした。本研究では、重水素化プローブ法という技術を用いることで、特定の分子量成分の結晶化挙動を独立かつ直接に観察します。具体的には、母材として用いる分子量分布が広い軽水素化PEに対して、特定の分子量の重水素化PEを微量添加することで、特定の分子量成分のみが重水素化された試料を調製します。分光測定を用いることで軽水素化PEと重水素化PEを別々に検知することができるため、特定の分子量成分の結晶化挙動を直接観察することができ、結晶化機構に対する分子量分布の影響を解明することが期待されます。

令和3年10月26日

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