2025年度JST戦略的創造研究推進事業(CREST・ACT-X)に採択
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「戦略的創造研究推進事業(CREST・ACT-X)」において、本学の研究提案からCREST1件、ACT-X1件が採択されました。
採択者および採択課題は以下のとおりです。
【CREST】
研究代表者:ナノマテリアル・デバイス研究領域 ホ アン ヴァン教授
研究課題名:Cross-X: AI 駆動型の触覚・近接センシングおよび適応的コンポーネントによる、多様な形態に対応した身体知能の実現
研究領域:実環境知能システムを実現する基礎理論と基盤技術の創出
研究概要:
本研究は、全身にわたるマルチモーダルセンシングを、適応的形態、事前学習知識、継続学習と統合し、迅速かつ頑健に応答できる物理知能モジュールを構築することを目的とする。さらに、各モジュールにおける局所的なセンシング・駆動から、ロボット全体における統合的な機能発現へと至る「身体知能」の科学的基盤を確立し、次世代ロボティクスの新しいパラダイムを切り拓くことが期待される。
【ACT-X】
研究代表者:コンピューティング科学研究領域 鎌田 斗南助教
研究課題名:連続と離散を横断する計算基盤の確立と実問題への接続
研究領域:次世代 AI を築く数理・情報科学の革新
研究概要:
近年の計算機科学の発展により、実社会の多様な課題を計算機で扱うことが可能となった。しかし、社会課題の多くは本来的に連続的であり、計算機が扱う離散的な近似との間には根本的な差異がある。そのため、問題の困難性と容易性の境界を理解するためには、連続性を計算機上で扱う新たな枠組みが必要である。本研究では、実社会の問題を実数変数の決定問題としてモデル化し、その計算量解析を通じて、体系的な数理基盤を確立する。
CREST:
CRESTは、我が国が直面する重要な課題の克服に向けて、独創的で国際的に高い水準の目的基礎研究を推進し、社会・経済の変革をもたらす科学技術イノベーションに大きく寄与する、新たな科学知識に基づく創造的で卓越した革新的技術のシーズ(新技術シーズ)を創出することを目的とするネットワーク型(チーム型)研究です。
「実環境知能システムを実現する基礎理論と基盤技術の創出」領域では、実環境・物理空間における多様かつ予測困難な状況変化に対して柔軟かつ安全に対応できる知能システム(Physical AI)の構築に向けた基礎学理と基盤技術の創出を目指します。AI とロボティクスやIoT との連携により AI に身体性を付与するなど、知能、機械、数理、制御、計算、通信、神経科学等の学術分野の融合による高度な知能システム構築に資する研究開発を推進します。
▶ 戦略的創造研究推進事業(CREST)
ACT-X:
ACT-Xは、我が国が直面する重要な課題の克服に向けて、優れた若手研究者を発掘し育成することを目的としたネットワーク型(個人型)研究です。
「次世代AIを築く数理・情報科学の革新」領域では、既存のAI技術の限界・困難を克服するため、AI 技術・情報科学および数学・数理科学、その他様々な研究分野の融合・応用による AI技術の高度化や適用範囲の拡大などの、挑戦的な研究課題に取り組む若手研究者を支援することで、新しい価値の創造につながる研究開発を推進します。
▶ 戦略的創造研究推進事業(ACT-X)
令和7年9月29日