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受賞

セキュリティ・ネットワーク領域の青木教授らが特定非営利活動法人ソフトウェアテスト技術振興協会善吾賞を受賞

 セキュリティ・ネットワーク領域の青木 利晃教授冨田 尭助教が特定非営利活動法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)第十二回善吾賞を受賞しました。

 善吾賞は、ソフトウェアの品質向上に寄与する学術的な論文を顕彰するために、学術雑誌や学術シンポジウム等で発表された日本語論文を対象にASTER善吾賞選考委員会が毎年選出するものです。

■受賞年月日
 平成31年3月28日

■論文タイトル
 確率統計に基づいた故障木とテストによる機械学習システムの系統的評価手法

■著者
 青木 利晃、川上 大介、千田 伸男、冨田 尭

■論文概要
 近年、深層学習を代表とする機械学習が脚光を浴びており、様々なシステムへの応用が検討されている。応用対象は、エンターテイメントシステムや事務処理システムなどにとどまらず、 自動車の自動運転などの高安全システムなども検討されている。高安全システムでは、安全性に 関する十分なテストを実施することが必要である。一方、機械学習システムの安全性をテストする手法は、まだ確立していない。そこで、本論文では、機械学習を用いて実現された分類器に焦点を当て、その安全性を系統的に評価する手法を提案する。提案手法は、データセットに基づいた安全 分析とテスト結果の統計的評価方法から構成される。安全分析では、よく知られているFTA(Fault Tree Analysis)を、データセットを取り扱えるように拡張した。そして、安全分析の結果、期待される認識率の水準を求め、テストを実施する。テストでは、この水準を満たしているか統計的に評価を実施する。提案手法は、CNN(Convolutional Neural Network)による手書き文字の分類器に適用し、評価を行った。

■受賞にあたっての一言
 ソフトウェアテストに多大な貢献をされた古川善吾先生のお名前が付いた賞をいただき大変光栄です。私も学生や若手の頃、何度かお会いして、大変お世話になりました。本論文は、三菱電機との共同研究成果を発表したものです。現在、近未来における自動運転の実現に向けて世の中が動いていますが、それには機械学習、AIといった技術が用いられています。しかしながら、そのようなシステムの安全性を事前に評価する手法は、まだ、確立されていません。そこで、安全・安心な自動運転の実現に向けて、三菱電機と共同研究を実施しており、本論文はその最初の成果を発表したものです。この成果は、初期のものであり、まだまだ拡張、発展させる必要あります。これからも、研究を継続し、安全・安心な自動運転、延いては、安全・安心な社会の実現に貢献したいと思います。

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平成31年4月5日

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