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受賞

ヒューマンライフデザイン領域の西本教授が第22回感性工学会大会・総会において出版賞を受賞

 ヒューマンライフデザイン領域西本 一志教授が第22回感性工学会大会・総会において出版賞を受賞しました。

 感性工学とは、感性という価値の発見と活用によって社会に資することを目的とする学問のことです。この分野の発展のために、日本感性工学会が1998年10月9日に設立されました。幅広い学問領域を融合し感性工学という新しい科学技術を立ち上げ、展開しています。

■受賞年月日
 令和2年9月9日

■書名
 不便益―手間をかけるシステムのデザイン―

■出版社
 近代科学社

■出版年
 平成29年11月

■執筆者
 川上浩司、平岡敏洋、小北麻記子、半田久志、谷口忠大、塩瀬隆之、岡田美智男、
 泉朋子、仲谷善雄、西本一志、須藤秀紹、白川智弘

■概要
 不便益とは、ある主たる目的を達成するための一連の行為に、本来は不要な「余分なひと手間(=不便)」を埋め込むことによって得られる、何らかの副次的な益のことを指します。一般に工学研究では、不便さを排除して「便利な道具」を創り出すことを目指します。しかし、不便益研究では、通常は排除されるべき不便さがもたらす副次的な益に注目し、そのような副次益を享受可能にするために積極的に不便さを導入する、新たなデザイン・パラダイムを提案しています。本書は、「不便益」の提唱者である京都大学の川上浩司教授を中心とする不便益研究グループが推進している各種の研究事例の紹介を通して、不便益とは何か、不便益なシステムはどのようにデザインすべきかについて論じています。

■受賞にあたって一言
 本書の中で、西本は第9章の「妨害による支援」の章の執筆を担当しました。当研究室が提唱し研究を進めている「妨害による支援」は、不便益と類似した概念ですが、不便益研究では「不便さ」という「結果」に着目しているのに対し、妨害による支援の研究では、「妨害要因」という「原因」に着目している点で異なっています。しかしながら、通常の工学研究では排除対象となるものがもたらす益に着目し、これを活用しようとする点で、両者の根本となる哲学には通底するものがあります。近年、便利さを闇雲に追い求める風潮に対するアンチテーゼとしての「不便益」という考え方が、広く世間に受入れられつつあります。ただ、そのような理解の中には、「昔は良かった」的な、客観的益を伴わないずれた不便益も散見されます。本書によって、正しい不便益や妨害による支援の考え方が普及し、不要要素の活用研究に興味を持つ人が増えることを願います。

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令和2年9月16日

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