トランスフォーマティブ知識経営研究領域の白肌教授と修了生のYANさんが第13回サービス学会国内大会において大会優秀賞および新井賞を受賞
トランスフォーマティブ知識経営研究領域の白肌邦生教授と修了生のYAN, Jialinさん(令和7年3月博士前期課程修了、トランスフォーマティブ知識経営研究領域、白肌研究室)が、第13回サービス学会国内大会において、大会優秀賞および新井賞を受賞しました。
サービス学会は、サービスに関する広範な知識を体系化することで、様々な産業課題の解決に寄与し、サービスに関わる「社会のための学術」の構築を目的としています。
第13回サービス学会国内大会は、「地域価値創生へのシナリオ;サービス共創に向けたトランスディシプリナリ」をテーマに、令和7年3月4日~6日にかけて、立命館大学大阪いばらきキャンパスにて開催されました。
白肌教授とYanさんは、このたび、同大会において発表された研究の中から、研究内容・方法・表現のすべてにおいて優れた発表に授与される「大会優秀賞」を受賞しました。理論的な貢献、実務への応用可能性、そして将来的な発展性などが総合的に評価されての受賞です。
さらに、サービス学の発展に尽力された新井民夫氏(東京大学名誉教授)の功績を記念して創設された「新井賞」も受賞しました。同賞は、論文賞および大会優秀賞に選ばれた研究の中から、サービスに関する知識と体系に基づき、社会技術の発展に大きく貢献すると認められるものに授与されます。なお、ポスター発表に対する新井賞の授与は、今回が初めてとなります。
授賞式は、令和8年3月に行われる予定です。
※参考:サービス学会
■受賞年月日
令和7年7月7日
■研究題目、論文タイトル等
脱炭素に向けた組織間共創:CUCOコンソーシアムの事例分析
■研究者、著者
YAN Jialin, 白肌邦生
■受賞対象となった研究の内容
本研究は、二酸化炭素の有効利用によるコンクリート製造の脱炭素化を推進する「CUCO(Carbon Utilized Concrete)コンソーシアム」を事例として、複数企業・研究機関によるサービスエコシステムの形成過程を分析したものです。CUCOが発表した99件の共同研究論文に対するネットワーク分析と、プレスリリースを用いたテキスト分析を組み合わせることで、アクター間の関係性、目標の統合プロセス、共創される価値の構造を多面的に可視化しました。
その結果、幹事企業を中心とした戦略的ネットワークと、個々のアクターが資源統合者として役割変容しながら連携を深めていくプロセスが明らかになりました。本研究は、技術と制度、組織間の摩擦を乗り越えて共創を実現する実践知を抽出し、社会実装に向けた共創型エコシステム構築のモデルを提示するものとして、サービス学会国内大会において学術的・実務的にも高く評価されました。特にポスター発表としては初となる新井賞の受賞は、本研究の革新性と社会的意義の高さを示すものです。
■受賞にあたって一言
【Yanさん(筆頭著者)】
このたび、サービス学会第13回国内大会において栄えある大会優秀賞・新井賞を賜り、大変光栄に存じます。本研究をここまで形にすることができたのは、白肌邦生教授のご指導があってこそです。常に丁寧に寄り添いながら、的確なご助言と温かい励ましをくださり、進むべき方向を見失わずに取り組むことができました。心より感謝申し上げます。また、研究の過程で貴重なご意見をくださった先生方や、実務の視点から多くの示唆を与えてくださった社会人学生の皆様にも、この場をお借りして深く御礼申し上げます。今後ともご期待に添えるよう、より一層精進してまいります。
【白肌教授(責任著者)】
大会で報告された数ある優れた論考の中から、私どもの研究を評価していただき大変感謝しております。CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)の取り組みの中でも新素材のコンクリート開発は期待されている技術で、これをサービス研究として捉えようと、Yanさんは独自の着想で努力してきました。その成果が認められたことは私も大変うれしいことです。
令和7年8月26日