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受賞

学生の安田さんが研究・イノベーション学会第40回年次学術大会においてスチューデントアワードを受賞

 学生の安田剛規さん(博士後期課程2年、トランスフォーマティブ知識経営研究領域、西村拓一研究室)が、一般社団法人研究・イノベーション学会の第40回年次学術大会において、スチューデントアワードを受賞しました。

 研究・イノベーション学会は、科学技術・イノベーションの予測、企画、計画、調整、評価等、研究開発を計画主体の立場から推進する産・官・学の学識経験者や実務家などが広く交流し、啓発しあうことのできる学際的な場を提供しています。
 スチューデントアワードは、同学会年次学術大会の予稿のうち、学術的に新規性・独創性あるいは実務的に実用性・発展性に富むと認められる優れた学生の発表に贈られるものです。
 第40回年次学術大会は、令和7118日~10日にかけて、オンラインおよび対面のハイブリッド形式にて開催されました。

※参考:研究・イノベーション学会

■受賞年月日
 令和71222

■研究題目、論文タイトル等
 新規事業創出における資源動員の正当化プロセス~公開情報に基づくサービスドミナントロジック視点からの事例分析~

■研究者、著者
 安田剛規、内平直志、西村拓一

■受賞対象となった研究の内容
 本研究は、日本の製造業における新規事業開発の障壁の一つである「社内抵抗」に対し、推進者(チャンピオン)がいかにして資源動員を正当化し、承認を勝ち取ったか、web上の公開情報から抵抗の理由とチャンピオンの手法を分析したものです。
 検証にあたり、Pythonを用いた独自のデータ収集、データ分析のプログラムを構築し、約3,000件の有効事例を抽出しました。これらに対し、抵抗の理由、チャンピオンが取った手法、その成功要因を分析しました。
 社内抵抗の主因は「実現性」と「採算性」への懸念に集約されましたが、相手の立場によってその比重が異なるため、説得相手に応じた戦略的なアプローチが必要であることが示唆されました。
 具体的な正当化手法として、件数としては論理的な「PoC結果(データ)」の提示が最多でしたが、成功率の観点からは、相手の感性に訴える「試作品」や「顧客の声」といった有形資源(オペランド資源)の提示がより有効であったと判明しました。さらに、推進者自身の無形資源(オペラント資源)に関しては、一般的な「熱意」以上に、「個人の実績」や「社外ネットワーク」を活用した事例で高い成功率が確認されました。
 結論として、新規事業の成否は、チャンピオンが抵抗者の懸念を見極め、効果的な「物証」と、自身が持つ「強み(実績・人脈)」を動的に組み合わせる手腕にあることを実証しました。

■受賞にあたって一言
 選考において、「本研究は新規事業開発における社内抵抗と事業推進者(チャンピオン)の方策に関する事例を網羅的かつ体系的に収集し、分析したものです。正当化プロセスの成功度を定量化した点は学術的に独創的であり、組織内部の合意形成取引に実務的な示唆を与えており、今後の発展が期待できる優れた内容である。」との過分なご評価をいただきました。思いがけずこのような名誉ある賞を賜り、大変感激しております。今回、web情報からの定量的抽出という手法に初めて挑戦しましたが、生成AIと二人三脚でPythonコードを修正すること100回、試行錯誤の末にようやく納得のいく解析結果を得ることができました。本受賞を励みに、今後も末永く研究を進めていきたいと思います。JAISTの皆様、ご指導とご支援をありがとうございました。

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令和8年2月17日

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