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博士前期課程学生のSongさんの論文がIEEE Sensors Journal に採録

 学生のShulin Songさん(博士前期課程2年、セキュリティ・ネットワーク領域松本研究室)の論文「Outage Probability of One-Source-with-One-Helper Sensor Systems in Block Rayleigh Fading Multiple Access Channels」が、IEEE(電気電子学会)Sensors Journal に採録になりました。

主指導教員・松本教授のコメント
 我々、情報理論と信号処理研究室員は、博士前期課程学生も含め全員がIEEEジャーナルなどの困難なジャーナルへの論文採択を目指して常に研究を推進しています。
 今回の博士前期課程学生であるShulin Songさんの論文採択は快挙であり、彼女を含め、研究室各位の研究に対する熱意と真摯な姿勢、そしてハードワークを誇りに思います。

■論文掲載誌名、掲載日
IEEE Sensors Journal (Impact Factor 3.78), 2020年8月25日IEEE Explore にオンライン版が掲載

本学リポジトリ

■著者
Shulin Song、Meng Cheng (平成26年3月博士後期課程修了、セキュリティ・ネットワーク領域、松本研究室)、 Jiguang He (オウル大学(フィンランド)研究員)、Xiaobo Zhou(平成25年9月博士後期課程修了、セキュリティ・ネットワーク領域、松本研究室)、Tad Matsumoto(主指導教員)

■論文タイトル
Outage Probability of One-Source-with-One-Helper Sensor Systems in Block Rayleigh Fading Multiple Access Channels

■研究の内容
 当該研究室では、ワイヤレスセンサーネットワークなどの中継はネットワークにおいて、中継局で受信された情報系列に誤りが存在しても、中継を継続する有歪中継方式(Lossy Forwarding)の諸問題がネットワーク情報理論における分散マルチターミナル情報源符号化問題として定式化でき解析が可能であることが世界に先駆けて明らかにし、高難易度ジャーナルに多数の論文を発表してきた。

 当該論文では、MAC伝送を導入することで「信号衝突をあえて生じさせても、信号の伝送速度が速度領域内(MAC領域という)であれば、受信局でジョイント復号を行うことで複数の信号の復元が可能である」というMAC伝送の原理を理論基盤とする。しかし、センサーネットワークにこの原理を当てはめる場合、センサーで観測した情報に相関が生じるために、分散マルチターミナル情報源符号化定理が要求するマルチヘルパー速度領域(Helper-assisted Slepian Wolf 領域:h-SW領域という)と、MAC領域がインターセクションを持たなければならない。インターセクションを持つための条件を厳密に明らかにすることはネットワーク情報理論における未解決問題のひとつであり、極めて難解な問題として知られる。

 そこで、問題解決のためのアナロジーとして最も単純な、1ソース、1ヘルパーのセンサーネットワークを対象に、インターセクションを持つための十分条件を明らかにした(十分条件であっても最終的に求まる劣化場所率はUpper Boundになるため安全サイドのシステム設計につながる)。この十分条件の下で、MAC領域とh-SW領域がインターセクションを持つ速度の組み合わせと、持たない組み合わせを解明し、ソースチャネルとヘルパーチャネルがワイヤレス伝搬路の影響を受けてによって大きく変動する場合に、これらの組み合わせが発生する確率を理論的に求めた。これによって、劣化場所率が理論的に求まったことになる。また、理論的に求めた結果はシミュレーション結果とも一致し、正しいことが確認できた。

 さらに、ソースチャネルとヘルパーチャネルの変動に相関がある場合に拡張し、チャネル変動の相関が与える劣化場所率の変化を評価した。その結果、平均受信SNRが低い領域では2次のダイバーシティゲインが得られるが、平均受信SNRが高くなると、1次ダイバーシティに漸近することを明らかにした。
 さらに、これらの結果をMAC伝送を行う場合と、直交伝送を行う場合とを比較し、劣化場所率がほぼ一致することが確認できた。これによって、問題設定である「中継のための直交伝送ではスループットが大幅に低下してしまうため、マルチプルアクセスチャネル(MAC)を導入してこの問題を解決できる」ことを示したことになる。

令和2年8月27日

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