ニュース・イベント

お知らせ

エルゼビア会長 Youngsuk 'YS' Chi氏がJAISTを訪問し、寺野学長らと面談 ―AI時代の大学の役割を語る―

 6月12日(木)、科学情報と情報分析を牽引するグローバル企業であるエルゼビアの会長、Youngsuk 'YS' Chi (ヨンスク・チ)氏らが、本学(JAIST)東京サテライトを訪問し、寺野稔 学長、上原隆平 先端科学技術研究科長、小泉周 副学長と面談を行いました。

 この訪問では、JAISTが進める地域社会の発展を目指した取り組みや、AI(人工知能)を活用した社会変革の取り組みについて、活発な意見交換が行われました。特に注目されたのは、「4th Generation University(第4世代大学)」という新たな大学像をめぐる議論です。

ヨーロッパで進む「第4世代大学」とJAISTの親和性

 YS Chi氏が言及した「4th Generation University」とは、従来の教育・研究・社会貢献にとどまらず、地域課題の解決や持続可能な社会づくりに、積極的かつ実践的に関与する大学像を指します。この新しい概念は、欧州の高等教育界で注目を集めており、大学の「価値の再定義」ともいえる動きです。

 JAISTでは、すでにMatching HUB Hokurikuをはじめとする産学官民連携の枠組みを通じて、地域社会とともに未来を創るプロジェクトを数多く展開しており、その方向性がまさに「第4世代大学」と合致していることが確認されました。

 YS Chi氏は、「第4世代大学に示されている通り、これからの大学は、新しい価値観を持つ必要がある。エルゼビアはAI駆動による新たなパラダイムを生み出す牽引力になるという点で、JAISTとの協働に期待している」と語り、今後の連携への強い期待を示しました。

info20250613-11.jpg

(左)寺野稔学長 (右)エルゼビア会長 Youngsuk 'YS' Chi氏

AIによる社会変革と、人類の知恵「Human Wisdom(人類知性)」

 さらに面談では、JAISTが推進しようとしている「AI駆動による社会変革」の取り組みについて、深い議論が交わされました。AIが人間の仕事や意思決定を支援する時代にあって、人間ならではの知恵=Human Wisdomをどう磨き、どう社会に還元していくのか。その鍵を握るのが大学の役割であるという点で、出席者の意見は一致しました。

 寺野学長は、「AIによってすべてが解決できるわけではない。本学はAI駆動をすすめながらも、先端科学技術によって人類知性をさらに進化させていくことを指向している」と述べ、本学がその役割を果たすことの重要性を強調しました。

これからのJAISTの挑戦

 今回の面談を通じて、世界的にも「大学は、地域に根ざしながら、地球規模の課題に挑む」という共通の価値観を共有していることが浮き彫りとなりました。今後、エルゼビアとJAISTの連携がさらに進み、研究支援、学術出版、AI倫理、知の可視化、人類知性の発展など、多様な分野での協働が期待されます。

 地域社会に開かれ、世界と対話しながら、未来をつくる大学へ。JAISTは、次なるステージに向けた一歩を着実に踏み出しています。

info20250613-12.jpg

令和7年6月13日

PAGETOP