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研究科セミナー「白峰とイワナの関わりから人間と環境の持続性的共存を学ぶ」を開催

 10月15日(水)、本学知識科学系研究棟コラボレーションルーム1およびオンラインにて、研究科セミナー「白峰とイワナの関わりから人間と環境の持続性的共存を学ぶ」を開催しました。
 講師として、白山白峰漁業協同組合の加藤唯央 組合長と鶴野俊哉 理事をお招きし、イワナを中心とした白峰地域の歴史や文化、そして漁協の現状についてお話しいただきました。

 本セミナーは、トランスフォーマティブ知識経営研究領域の吉岡秀和准教授と白峰漁協の産学連携をきっかけに企画されたもので、学生・教員をはじめ、石川県の水産関係者、新聞記者、環境調査に携わる企業関係者など、約40名が参加・視聴を希望しました。
 講演では、内水面漁協が担う水産資源と河川環境の保全活動について、現場の実情や課題が具体的に紹介されました。特に、以下のような現状が示され、参加者に多くの気づきを与えました。

  • 高齢の役員や組合員により運営される現状から、次世代への継承が難しいこと
  • 石川県内で唯一イワナ稚魚を生産する漁業協同組合として、資金難や育成システム維持の困難、遺伝子混雑への危惧等など、資源の持続化が危ぶまれていること
  • 河川環境の急激な悪化(再生しない自然環境)や異常気象による水害の多発,水温の急激な上昇(養殖渓魚の生存限界を超えた水温上昇)、護岸工事や堰堤築造による破壊ならびに遡上妨害(産卵場消滅)、河川生物の著しい減少、稚魚放流しても増えない渓魚等、人為的・自然的要因が複合的に影響していること

 こうした課題を通じて、「人間と環境がどのように共存していくべきか」を考える貴重な機会となりました。

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白山白峰漁業協同組合の加藤唯央 組合長

令和7年10月21日

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