宮木幸一客員教授らによる「能登復興ニーズ調査」が北陸中日新聞で紹介されました
宮木幸一 東京大学公共政策大学院GraSPPシニアリサーチフェロー/本学(JAIST)客員教授が推進する、能登半島地震被災地におけるニーズ把握調査が、2025年12月26日付北陸中日新聞に掲載されました。
本調査は、本学と能美市・中能登町をはじめとする複数の自治体が連携して実施している市民アンケート調査であり、被災地復興における新たな取り組みとして注目を集めています。
調査の背景と目的
能登半島地震の被災地では、被災者が実際に必要としている支援と、全国から寄せられる善意(ボランティアや支援物資)との間に、いわゆる「ミスマッチ」が生じることが指摘されています。本調査は、こうした課題の解消を目的として、宮木幸一客員教授、小泉周副学長、島田淳一教授らが中心となり、被災者が「真に必要とする支援内容とその優先順位」を明らかにすることを目指しています。
本プロジェクトは、昨年の能登半島地震発生時から計画を進めてきたもので、JAISTと東京大学による共同研究として位置づけられています。宮木客員教授は、令和6年1月1日の地震翌日から、ボランティアおよび行政支援の一環として被災地に関わり、現地での経験や、富山県氷見市にある親族宅の被災状況を通じて、支援とニーズの乖離を実感しました。この経験が、本調査実施の直接の契機となっています。
期待される効果
本調査により、被災地の多様なニーズをより的確に把握し、その優先順位を可視化することで、復興施策の実効性向上や、ボランティア・支援資源の有効活用が期待されます。被災者と支援者の双方にとって、より意味のある復興支援の実現を目指す取り組みです。
学術的な特徴:Majority Judgment(マジョリティ・ジャッジメント)の活用
本調査では、従来の多数決方式ではなく、最新の投票理論「Majority Judgment」を分析手法として採用しています。
主な特徴:
- 4段階評価による、きめ細かな意見収集
- 極端な意見ではなく、少数意見も公正に反映
- 中間的な評価を適切に把握し、バランスの取れた優先順位を可視化
これにより、被災者と支援者双方にとって実効的な復興支援策の立案が期待できます。

調査概要
・調査期間:2025年12月25日(木)~12月31日(水)
・対象:能登地震被災者(震度6以上の被害を受けた7自治体・震度5以下の被害を受けた12自治体)および県外の方々
・主な内容:能登地震の被害の大きかった地域および相対的に小さかった地域への事前アンケート調査から得られた投票項目8つのニーズ(下記調査画面参照)をマジョリティジャッジメント(MJ)の手法で評価
・回答方法:北陸中日新聞当該記事内のQRコード、または下記URLよりオンラインフォームにアクセス
・匿名性:無記名方式で個人は特定されず、学術分析および自治体等の政策検討のみに利用(倫理審査済み)
ご協力のお願い
調査期間:令和7年12月31日(水)まで実施しています。
調査フォーム: https://forms.gle/vJfgdy2fivHU4f9Y9
上記URLまたは新聞掲載のQRコードからアクセスいただけます。被災者の方々はもとより、ボランティアや支援活動に関わる方、能登復興に関心をお持ちのすべての皆様のご協力をお待ちしています。

令和7年12月26日
