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能美市における農村デジタルトランスフォーメーションの推進に関する協業覚書締結

石川県能美市
国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
株式会社日本総合研究所

能美市における農村デジタルトランスフォーメーションの推進に関する協業覚書締結

 石川県能美市(市長: 井出敏朗、以下「能美市」)、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市、学長: 浅野哲夫、以下「JAIST」)、株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、2019年11月11日、「農村デジタルトランスフォーメーション(以下「農村DX」)の推進」に関する協業覚書(以下「本覚書」)を締結しました。
 三者は本覚書の下、能美市における農村DXに関する新しいサービスの検討をはじめ、人材育成に関する取り組み、実証プロジェクトの検討などの活動を行います。

【協業の背景と主な内容】
 農業の活性化は、能美市における地域振興の重要な施策の一つですが、水稲価格の下落傾向や高齢化による担い手不足によって、農業販売額の低下と耕作面積の減少が深刻な問題となっています。そこで近年注力しているのは、国の地方再生計画としても認定された"地域循環型「エコ能美農産物」ブランド化モデル事業"による、安心・安全で付加価値の高いブランド農産物開発です。ブランド認証の仕組み構築やふるさと納税を通じた情報発信などによる後押しも行います。
 現代のブランド農産物の栽培では、多くの農機やデータ機器を活用するため、安定した電力供給は大きな課題です。また、消費者の間に高まる環境意識に応えることも求められます。そこで、製造業が盛んな能美市に集積する企業の高度な技術を活用し、AI・IoTを活用した地域内の電力融通の仕組み構築や地域資源循環の見える化を検討します。
 実証プロジェクトでは、地元企業や農業者などと連携したワークショップやアイデアソンといった活動に積極的に取り組みながら、全国に先駆けた農村DXのモデル地域としての活動を推進していきます。能美市およびAI・IoTを利用した技術・サービス・地域イノベーションに関する研究・人材育成を行うJAIST、農村DXのコンセプトを提唱する日本総研の三者は、これらの農村DXを実現させることで、ブランド農産物の開発と普及の加速を図り、農業および製造業の両産業を発展させながら地域の活性化を進めていきます。

※農村デジタルトランスフォーメーション(農村DX)
 農村DXは、農村全体をデジタル化することによって、「儲かるビジネスがあり、かつ住みやすい農村」を実現させることを目的に、日本総研が2018年度から提唱しているコンセプトです。農業をはじめとしたビジネスと農村生活に関連する情報や機能をAI/IoT等のデジタル技術で一体化させて新しいサービスを開発し、農村におけるビジネスおよび生活の革新を図ります。
 日本総研では、自治体を会員とする「農村デジタルトランスフォーメーション協議会(以下「農村DX協議会」)」を2019年度に設立し、研究会の開催をはじめとした、農村DXに関する情報を共有する活動を行っています。
 なお、能美市は、2019年6月から農村DX協議会に参加しています。

【農村DXのサービス例】
再生可能エネルギーを活用した農業者による「ミニ電力会社」サービス

農村の「悩み」 スマート農業の進展で、ロボットやドローン等の農機の電動化が進行。一方、圃場には発電設備が不足
サービス案
  • 小水力、太陽光、バイオマス発電等による電力を農業者間で融通
  • ロボットやドローン等の各種農機に、地域内の電力を効率的に提供
  • 農機のシェアリング等による、スマート農機の稼働率向上

住民参加型地域資源の3R(Reuse,Reduce,Recycle)サービス

農村の「悩み」 地域内の剪定枝や枯葉等について、収集の手間や処理費用は大きな負担。処理後の残渣の活用方法も課題
サービス案
  • 剪定枝や枯葉等の発生量や使用量等の予測・モニタリング
  • 剪定枝や枯葉等の収集協力にポイントを付与、住民を動機付け
  • 残渣から高品質な堆肥を生産。堆肥を利用した農産物をブランド化

農産物出荷の物流の仕組みを活かした、ラストワンマイル物流サービス

農村の「悩み」 人口密度低下によって宅配業者の利益率が低下。サービス継続が困難となり、料金が上昇。時間指定等に対応できないケースも増加
サービス案
  • 農業者の納品先である道の駅などを宅配の拠点として活用
  • 宅配業者は道の駅などの拠点まで荷物を配送。農業者は農産物出荷後の車両の空の荷台を活用して、それらを周辺住民まで配送

農村DX協議会につきましてはこちらのURLをご参照ください。

令和元年11月12日

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