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ナノマテリアルテクノロジーセンターの東嶺技術専門員が文部科学大臣表彰研究支援賞受賞

ナノマテリアルテクノロジーセンターの東嶺技術専門員が
文部科学大臣表彰研究支援賞受賞

 北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野稔、石川県能美市)のナノマテリアルテクノロジーセンターの東嶺孝一(ひがしみね こういち)技術専門員が、令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰研究支援賞を受賞することが決定し、文部科学省から7日に発表されました。

pr20200408-1.jpg 文部科学大臣表彰とは、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃え贈られるものです。

 今回の受賞は、東嶺技術専門員の下記の業績が評価されたことによります。

研究支援賞
受賞者 ナノマテリアルテクノロジーセンター 技術専門員 東嶺孝一

■業績名「基盤技術としての透過電子顕微鏡による材料科学研究への貢献」

【業績の背景】
 高分解能透過電子顕微鏡は、優れた威力を有しているにもかかわらず、高度な専門的技術や原理の確実な理解が必要であるため、材料の研究開発に十分に活用されているという状況にはなかった。受賞者は、早くから高分解能透過電子顕微鏡が将来重要な基盤技術になるというビジョンを持った上で、各研究室と連携して成果が挙げられるよう協力体制を整えることを目指した。

【支援の内容】
 本業績では、受賞者は高分解能透過電子顕微鏡に関する高度専門技術を身に付け、また、各種試料の前加工処理技術も習得することで、幅広い分野の研究室の様々な材料に関する研究に協力した。例えば、より効果的な評価手法を発案して、あるいは、観察中に発見した特異な現象に着目して、さらに詳細な観察、測定を実施するなど、研究者らと協働することで成果を得た。さらに、関連設備の整備、技術継承に尽力した。

【当該支援を受けて行われた研究開発の内容】
 本業績の支援を受け、半導体(無機、有機)、金属微粒子、セラミクス、高分子、生物・植物由来材料など、幅広い材料科学分野で成果が得られた。代表的な成果として、c-Siとその表面に成膜したSiNx膜との界面に挿入したa-Si層が、キャリアの表面再結合速度に及ぼす影響を、原子分解能走査型透過電子顕微鏡によって明らかにしたことが挙げられる。

【業績の社会的効果・実施効果】
 本業績により、北陸先端科学技術大学院大学では、ナノテクノロジーに関する最先端の研究設備である透過電子顕微鏡活用のノウハウを有する教員・技術職員が協力体制を確立した。大学・研究機関が参画するナノテク総合支援ネットワーク事業(2007~12年)、ナノテクノロジープラットフォーム事業(2012年~現在)を通し、社会・産業界等における課題の解決に向け、透過電子顕微鏡による研究協力を推進している。

令和2年4月8日

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