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触媒インフォマティクスにおけるデータ問題とは(コメンタリー)

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国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
国立大学法人北海道大学

触媒インフォマティクスにおけるデータ問題とは(コメンタリー)

 北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野稔、石川県能美市)先端科学技術研究科物質化学フロンティア研究領域の谷池俊明教授は、北海道大学(総長・寳金清博、北海道札幌市)大学院理学研究院化学部門の髙橋啓介教授と共同で、触媒インフォマティクスの実践における最大の課題であるネガティブデータの欠損についてのコメンタリー(Commentary)論文を発表した。

 物質、材料研究開発におけるデータ駆動型アプローチ、いわゆるマテリアルズインフォマティクスは、創世の時を終え、近年、研究開発の現場において爆発的に普及しつつある。その最大の課題として、原資となる高品質かつ大規模な実験データの入手が極めて難しいことがあげられる。谷池教授、髙橋教授らの研究グループは、これまで、ハイスループット実験[*1用語解説]を基盤として触媒インフォマティクスを開拓し、当該分野におけるデータの質と規模の問題に正面から取組んできた。
 本論文では、触媒を中心とする既存の材料データにまつわる種々の問題、特に、低性能な触媒や合成の失敗など、功利的な視点ではネガティブと捉えられるデータの著しい欠落に関して、その原因や影響、将来的な対策等をまとめた。本論文により、当該分野や関連分野を含む研究者にデータ駆動型アプローチにおけるこれらのデータ問題への理解を深めてもらい、データ、特にネガティブデータの公開に対するマインドセットの修正につながることを期待したい。

 本成果は、2023年2月27日(米国東部標準時間)にSpringer Nature発行「Nature Catalysis」のオンライン版に掲載された。
 なお、本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST研究領域「多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術」(研究総括:上田渉)における「実験・計算・データ科学の統合によるメタン変換触媒の探索・発見と反応機構の解明・制御」(研究代表:髙橋啓介)の支援を受けて行われた。

【論文情報】

掲載誌 Nature Catalysis (Springer Nature)
論文題目 The value of negative results in data-driven catalysis research
著者 Toshiaki Taniike, Keisuke Takahashi
掲載日 2023年2月27日(米国東部標準時間)にオンライン版に掲載
DOI 10.1038/s41929-023-00920-9

【用語解説】

*1 ハイスループット実験
実験の回転速度をスループットと呼ぶ。ハイスループット実験とは高度な並列化や自動化によってスループットを劇的に改善した手法を指す。

令和5年3月8日

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