研究活動の検索
研究概要(研究室ガイド)やプレスリリース・受賞・イベント情報など、マテリアルサイエンスの研究室により公開された情報の中から、興味のある情報をタグや検索機能を使って探すことができます。半導体ナノワイヤを舞台としたスピントロニクス研究


半導体ナノワイヤを舞台とした
スピントロニクス研究
ナノワイヤ X スピンデバイス研究室
Laboratory on Nanowires X Spin Devices
准教授:赤堀 誠志(AKABORI Masashi)
E-mail:
[研究分野]
半導体エピタキシャル成長、半導体ナノ構造、半導体スピントロニクス
[キーワード]
化合物半導体、強磁性体、微細加工、エレクトロニクス、スピントロニクス、半導体物性、低温物性
研究を始めるのに必要な知識・能力
本研究室で研究を始めるにあたって大事なのは、リアルに「もの」を扱うのが好きであることだと考えています。また、物理学(特に電磁気学、量子力学)の知識はあった方がよく、この他に半導体・固体物理、化学、プログラミングの知識があると研究を進める上で役に立つと考えています。
この研究で身につく能力
本研究室の研究では様々な装置を使います。それらの正しい使用法は論理的思考に基づいて考えられています。したがって、それらを理解し、自ら実践することにより、論理的な思考力が養われると考えています。また、実験的研究にはトラブルがつきもので、想定通りには結果が得られず、上手く進まないことも多々あります。ですが、トラブルの状況や得られている結果に関して、周りと協力しながら分析・考察し、研究が上手く進むように努力することにより、解決すべき課題を発見する力、そして発見した課題を解決する力が養われると考えています。
【就職先企業・職種】 電機・精密機械、IT・通信、素材
研究内容

図1.スピン電界効果トランジスタ

図2.トップダウン手法によるナノワイヤ、
ポイントコンタクト

図3.ボトムアップ手法によるナノワイヤ

図4.電気化学プロセスによるコアシェルナノワイヤ

図5.MnAs/InAs 複合構造

図6.非局所測定
従来のエレクトロニクスでは、チャージ(電荷)の制御により情報処理が行われてきました。これに対してスピントロニクスは、チャージだけでなくスピン(磁性)を制御することにより情報処理を行っていくものです。国際デバイスおよびシステムロードマップにおいても、スピントロニクス素子は重要な次世代デバイスの一つとして位置付けられています。半導体を用いる代表的なスピントロニクス素子は、InAs・InGaAs・InSb・InGaSbなど大きなスピン軌道結合を有する半導体と強磁性体との複合構造からなるスピン電界効果トランジスタです(図1)。この素子においては、半導体ナノワイヤを採用することにより、スピン軌道結合と弾性散乱によるスピン緩和が抑制されると期待されています。そこで本研究室では、以下に示すような、半導体ナノワイヤ構造および半導体- 強磁性体複合構造に関する実験的研究を行っています。
①半導体ナノワイヤ構造の作製
電子ビーム露光とエッチング加工を組み合わせたトップダウン手法(図2)と、分子線エピタキシャル成長を用いたボトムアップ手法(図3)に関する研究を進めています。トップダウン手法では高品質な半導体ヘテロ接合を用いることが可能ですが、コヒーレントな伝導のためにはエッジ形状の最適化や加工ダメージの抑制などの課題があります。ボトムアップ手法では半導体ヘテロ構造の利用は困難ですが、成長条件の最適化によりトップダウン手法では困難な良好な形状・微小な寸法を実現できる可能性があります。
②半導体- 強磁性体複合構造の作製
電気化学プロセスによる半導体(ZnO)/ 強磁性体(Co、Ni)コアシェルナノワイヤの形成(図4)や、分子線エピタキシャル成長による半導体(InAs) / 強磁性体(MnAs) 複合構造の形成(図5)に関する研究も行っています。これらの方法では連続的に半導体/ 強磁性体界面を形成するため、強磁性体から半導体へのスピン注入効率向上が期待されます。
③作製した構造の電気的評価・解析
超伝導マグネット付クライオスタットなどを用いて、低温・強磁場環境下での電気的評価・解析を進めています。面内磁場中での非局所配置における抵抗測定(図6)などにより、スピン注入・輸送・検出に関する知見を獲得することが可能です。これら知見を基に、未踏のスピン電界効果トランジスタの実現を目指します。
主な研究業績
- S. Komatsu, M. Akabori: “Spin-filter device using Zeeman effect with realistic channel and structure parameters” Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 63, pp. 02SP14-1-5 (2024).
- Md. T. Islam, Md. F. Kabir, M. Akabori: “Low-temperature grown MnAs/InAs/MnAs double heterostructure on GaAs (111)B by molecular beam epitaxy” Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 63, pp. 01SP40-1-5 (2024).
- K. Teramoto, R. Horiguchi, W. Dai, Y. Adachi, M. Akabori, S. Hara: “Tailoring Magnetic Domains and Magnetization Switching in CoFe Nanolayer Patterns with Their Thickness and Aspect Ratio on GaAs (001) Substrate” Physica Status Solidi B, Vol. 259, pp. 2100519-1-9 (2022).
- D. Q. Tran, Md. E. Islam, K. Higashimine, M. Akabori: “Self-catalyst growth and characterization of wurtzite GaAs/InAs core/shell nanowires” J. Crystal Growth, Vol. 564, pp. 126126-1-7 (2021).
使用装置
成膜装置(分子線エピタキシャル成長装置、原子層堆積装置、真空蒸着装置、スパッタ装置)
微細加工装置(電子ビーム露光装置、電界電離ガスイオンビーム装置、反応性イオンエッチング装置)
電気化学プロセス装置
電気計測装置(デバイスアナライザ、ホール効果測定装置、ロックイン計測システム)
極低温・強磁場装置(超伝導マグネット付He4クライオスタット、He3クライオスタット、希釈冷凍機)
研究室の指導方針
本研究室では、様々な装置を使って、半導体や強磁性体など「もの」をつくるところから、主に電気的評価・解析によりつくった「もの」を調べるところまで一貫して実験的研究を行います。まずテーマの近い学生でチームをつくり、毎日チームミーティングをしてもらうとともに、週一でスタッフを交えた全体ミーティングを行って、コミュニケーション力・プレゼンテーション力・判断力の育成・向上を図ります。また、全体ミーティングと同じ日に勉強会も行い、半導体・固体物理分野の知識習得や基礎学力の向上を図ります。
[研究室HP] URL:https://www.jaist-akabori-lab.com/
JSTのさくらサイエンスプログラムを実施
ナノマテリアル・デバイス研究領域の安東秀准教授のマレーシアとの交流計画が国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「国際青少年サイエンス交流事業 さくらサイエンスプログラム」に採択されたことを受け、1月9日~1月18日の日程でマレーシア国民大学(UKM)及びマレーシアマラッカ技術大学(UTeM)並びにマレーシアプトラ大学(UPM)から13名の教員・研究者・大学院生を本学に受け入れました。
「国際青少年サイエンス交流事業 さくらサイエンスプログラム」は、産学官の緊密な連携により、諸外国・地域の青少年を我が国に招へいし、我が国の青少年との科学技術分野の交流を行う事業です。これを通して、
①科学技術イノベーションに貢献しうる優秀な人材の養成・確保
②国際的頭脳循環の促進
③日本と諸外国・地域の教育研究機関間の継続的連携・協力・交流
④科学技術外交にも資する日本と諸外国・地域との友好関係の強化
に貢献し、ひいては、日本及び世界の科学技術・イノベーションの発展に寄与することを目的とします。
参考:https://ssp.jst.go.jp/outline/detail/
本学はアジア諸国の大学・研究機関との学術的交流を強く推進しており、将来的に優秀な学生を受け入れるためにマレーシアにおける大学・研究機関においても交流を進めています。
本交流の趣旨は昨年実施された環境・エネルギー分野に続いてナノマテリアル・デバイス・計測分野にて交流を実施し、本学のマレーシアにおける学術的交流活動をより広く促進する効果を狙った計画となりました。また、今回、本学での学位取得者であるAmbri教授(UKM)とAsyadi教授(UTeM)が実施担当者として来日し、本学と各大学の交流基盤を再構築することができました。プログラム期間中には、本学教員による研究指導等を実施し、最終日には成果報告会が行われました。また、金沢のひがし茶屋街での金箔体験や、ゆのくにの森での蒔絵体験を通して日本的な文化や美にも触れ、さらに、中谷宇吉郎雪の科学館、東京の日本科学未来館を訪問して日本の多様な先端科学技術を紹介しました。
本交流プログラムはこれらの経験を通して招聘者の将来の日本への留学を促し、本学が招聘者の母国やアジアの科学技術の進歩や発展に貢献することを目指しています。
■実施期間
令和7年1月9日~令和7年1月18日
■研究テーマ
ナノマテリアル・デバイス・計測に関する技術交流
■本交流について一言
本計画をサポートいただきましたJSTに御礼申し上げます。また、本学受入教員の村田教授、赤堀准教授、高村由起子教授、廣瀬講師、大島教授、松見教授、上田准教授、篠原准教授、長尾教授に御礼申し上げます。また、降雪の中プログラム実施をサポートして下さった長尾教授、青木助教をはじめとする10名以上の教職員や学生の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。引き続きマレーシアとの交流の発展にお力添えをお願い致します。

歓迎ミーティング

初雪体験

金沢で金箔貼体験

ゆのくにの森

研究実施風景

成果報告会、終了式
令和7年1月24日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2025/01/30-1.html令和4年度地域連携事業 宮竹小学校の児童が来学-附属図書館・JAISTギャラリー見学&理科特別授業-

2月17日(金)、能美市立宮竹小学校の4年生20名が、理科の特別授業を受けました。特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授及び木村技術専門職員が講師となり、液体窒素や液体酸素を用いた様々な科学実験を行いました。
子供たちは、酸素や窒素、空気などの気体が入った風船を液体窒素で冷やしたときの反応の違いや、液体窒素や液体酸素によって、花や電池、線香などの身近な物が化学反応を起こす様子を観察しました。
今回の特別授業は科学技術の世界に触れることのできる貴重な機会となりました。
2月28日(火)には、同校の3年生16名が附属図書館の見学やJAISTギャラリーでのパズル体験を行いました。本棚に並ぶ多くの図書や、貴重図書室の『解体新書』(杉田玄白著)や『アトランティコ手稿』(レオナルド・ダ・ヴィンチ著)を目にし、本学職員の解説を熱心に聞き入っていました。
また、実際に触って解いて遊ぶことができるパズルに興味津々な様子で、本学の学生が解説しながらパズルを解く実演では、多くの児童が積極的に質問する様子が見られました。

風船を用いた科学実験を行う4年生

液体窒素を観察する4年生

貴重図書室を見学する3年生(附属図書館)

JAISTギャラリーでのパズル実演を見る3年生
令和5年3月7日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2023/03/07-1.html令和3年度地域連携事業 宮竹小学校の児童が来学 -附属図書館・JAISTギャラリー見学&理科特別授業-

2月4日(金)、能美市立宮竹小学校の3年生21名が附属図書館の見学やJAISTギャラリーでのパズル体験を行いました。本棚に並ぶ多くの図書や、貴重図書室の『解体新書』(杉田玄白著)や『アトランティコ手稿』(レオナルド・ダ・ヴィンチ著)を目にし、本学職員の解説を熱心に聞き入っていました。
また、実際に触って解いて遊ぶことができるパズルの数々に興味津々な様子で、本学の学生が解説しながらパズルを解く実演では、多くの児童が積極的に質問する様子が見られました。
2月24日(木)には、同校の4年生15名が、理科の特別授業を受けました。特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授(応用物理学領域)及び木村技術専門職員が講師となり、液体窒素及び液体酸素を用いた様々な科学実験を行いました。
子供たちは、酸素や窒素、空気などの気体が入った風船を液体窒素で冷やしたときの反応の違いや、液体窒素や液体酸素によって、花やスーパーボール、線香などの身近な物が化学反応を起こす様子を不思議そうに観察していました。
今回の特別授業は科学技術の世界に触れることのできる貴重な機会となりました。

貴重図書室を見学する3年生
(附属図書館)

JAISTギャラリーでのパズル実演

風船を用いた科学実験を
見つめる4年生
令和4年2月25日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2022/02/25-2.html宮竹小学校の児童が来学 -本学がより身近になりました-
2月12日(金)、能美市立宮竹小学校の3年生15名が附属図書館の見学やJAISTギャラリーでのパズル体験を行いました。本棚に並ぶ多くの図書、貴重図書室の『解体新書』(杉田玄白著)や『アトランティコ手稿』(レオナルド・ダ・ヴィンチ著)を目にし、本学職員の解説に熱心に聞き入っていました。また、実際に触って解いて遊ぶことができるパズルの数々に興味津々な様子で、一生懸命にパズルを解いていました。
また、2月24日(水)に同校の4年生23名が理科特別授業を受けました。
特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授(応用物理学領域)及び木村技術専門職員が講師となり、十分な新型コロナウイルス感染症対策を行った上で、液体窒素を用いた様々な科学実験を行いました。
液体窒素によって、花やスーパーボール、乾電池などの身近な物が化学反応を起こす光景に、子供たちは目を輝かせて見入っていました。
今回の企画は、科学技術の世界に触れることのできるまたとない機会となりました。

3年生が貴重図書室を見学(附属図書館)

液体窒素を用いた科学実験を行う4年生
令和3年3月1日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2021/03/01-2.html北陸先端大を運営会場として国際学会「SSDM2020」をオンライン開催
9月27日(日)~9月30日(水)にかけて、2020 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM2020)が北陸先端大を運営会場としてオンライン開催されました。
SSDMは、日本の半導体産業にも多大な貢献のある同分野におけるアジア地域最大の国際学会です。固体素子・材料の科学と技術を幅広くカバーしており、日本で開催されている国際会議の中で最も伝統のあるものの一つでもあります。
SSDM2020は、当初、北陸地区では初めてとなる富山県での開催を予定していましたが、新型コロナウィルスの影響により、オンラインでの実施に変更となりました。
今回、事前登録者だけでも700名を超える参加者が集まり、情報通信技術(ITC)分野や、太陽光発電・バッテリーなどのエネルギーイノベーション・ライフイノベーションの応用分野などのさまざまな分野から研究者や技術者が参加し、開催期間中340件を超える研究発表が行われました。
オンライン開催であったSSDM2020は、指揮・統括を行う拠点であるバックオフィスを、共催機関である北陸先端大に設置し、実行委員長である水田教授(環境・エネルギー領域)、赤堀准教授(応用物理学領域)らを中心に、北陸先端大及び金沢大学の教員、学生が一丸となり、最大で10セッションがパラレルで進行する、大規模な国際学会の運営にあたりました。
バックオフィスで実際に運営にあたった近隣大学の学生らは、通常の学会運営とは異なるトラブルに見舞われることもありましたが、他大学の教員や留学生から研究発表とは違った刺激を受け、積極的に運営に取組んでいるようでした。
また、富山大学、富山県立大学や川崎市の株式会社東芝にもサテライトオフィスを設置し、学会運営やトラブル等への対応を行いました。
次回のSSDM2021は、2021年9月6日から9日の日程で、札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)で開催予定です。
バックオフィスで運営にあたる教員や学生の様子
令和2年10月2日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2020/10/02-2.html宮竹小学校の児童が来学 -本学がより身近になりました-

2月4日(火)、能美市立宮竹小学校の3年生24名がJAISTギャラリーや附属図書館の見学を行いました。実際に触って解いて遊ぶことができるパズルの数々や本棚に並ぶ多くの図書に興味津々な様子でした。
また、2月18日(火)に同校の4年生16名が理科特別授業を受けました。
特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授(応用物理学領域)及び木村技術専門職員が講師となり、液体窒素を用いた様々な科学実験を行いました。
液体窒素によって、花やスーパーボール、乾電池などの身近な物が化学反応を起こす光景に、子供たちは目を輝かせて見入っていました。
今回の企画は、科学技術の世界に触れるまたとない機会となりました。

3年生がパズルを体験(JAISTギャラリー)

液体窒素を用いた科学実験を行う4年生
令和2年2月20日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2020/02/20-1.htmlナノテクノロジープラットフォーム公開講座「集束イオンビーム(FIB)技術の基礎と微細加工実習」【定員に達したため、受付を終了いたしました。】

本学ナノマテリアルテクノロジーセンター主催で集束イオンビーム(FIB)の技術の基礎を学び、微細加工実習を行うことのできる公開講座を開催いたします。
ただいま受講者を募集しております。皆様のご参加をお待ちしております。
日 時 | 令和2年2月21日(金)10:00~17:00 |
場 所 | 北陸先端科学技術大学院大学 ナノマテリアルテクノロジーセンター JAISTイノベーションプラザ |
テーマ | 集束イオンビーム(FIB)技術の基礎と微細加工実習 |
講 師 | 赤堀 誠志:ナノマテリアルテクノロジーセンター 准教授 (応用物理学領域) 東嶺 孝一:ナノマテリアルテクノロジーセンター センター長補佐・技術専門員 宇野 宗則:ナノマテリアルテクノロジーセンター 技術専門職員 伊藤 真弓:産学官連携推進センター 技術支援部門 研究員 |
内 容 | Gaに代表される液体金属イオン源を用いた集束イオンビーム(FIB)技術は,透過型電子顕微鏡用試料の作製や半導体製造用フォトマスクの修正など、様々な微細加工に広く利用されており、近年はさらなる微細化に向けて、電界電離ガスイオン源(GFIS)を用いたFIB技術も進展しています。本講座では、FIB技術の概要を掴めるよう、FIB技術の基礎を解説するとともに、実際にGa-FIB装置やGFIS-FIB装置を操作し、微細加工実習を行います。 |
定 員 | 5名程度(先着順) |
参加対象者 | 企業・他大学・高専等の研究者・技術者 |
受講料 | 6,200 円(税込) |
申込方法 | 受講希望の方は、 ①氏名(ふりがな) ②勤務先等・職名 ③受講の目的 ④本講座に期待すること ⑤書類送付先 ⑥電話番号 ⑦メールアドレス を明記の上、E-mail (宛先 nano-net@jaist.ac.jp)またはFAX(ポスター2ページ目参照)でお申し込みください。 |
申込締切 | |
問合わせ先 ・申込み先 |
北陸先端科学技術大学院大学 ナノマテリアルテクノロジーセンター事務局 〒923-1292 石川県能美市旭台1-1 TEL:0761-51-1449 FAX:0761-51-1455 E-mail:nano-net@jaist.ac.jp |
宮竹小学校4年生を対象に理科特別授業を実施

1月29日(火)、能美市立宮竹小学校の4年生22名を対象に理科特別授業を実施しました。これは、児童に理科への関心をより深めてもらう取組として、同小学校から本学に対して企画の依頼があったものです。
特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授(応用物理学領域)及び木村技術専門職員が講師となり、液体窒素を用いた様々な科学実験を行いました。
液体窒素によって、花やスーパーボール、乾電池などの身近な材料が化学反応を起こす光景に、子供たちは目を輝かせて見入っていました。
また、特別授業終了後にはJAISTギャラリーの見学を行いました。実際に触って解いて遊ぶことができるパズルの数々に、子供たちは興味津々な様子でした。
今回の企画は、子供たちにとって、先端科学技術の世界に触れるまたとない機会となりました。

特別授業の様子

パズルで遊ぶ子供たち
平成31年2月1日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2019/02/01-1.html宮竹小学校4年生を対象に理科の特別授業を実施

3月9日(金)、能美市立宮竹小学校の4年生28名に理科の特別授業を実施しました。これは、児童に理科への関心をより深めてもらう取組として、同小学校から本学に対して企画の依頼があったものです。
特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀 誠志准教授(応用物理学領域)、木村 一郎技術専門職員及び仲林 裕司主任技術職員が講師となって、液体窒素を用いた科学実験を行いました。
液体窒素によって、花や乾電池などの身近な材料が化学反応を起こす光景に、子供たちは目を輝かせて見入っていました。子供たちにとって、先端科学技術の世界に触れるまたとない機会となりました。

木村技術専門職員による説明

液体窒素の実験風景
平成30年3月12日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2018/03/12-3.html宮竹小学校4年生を対象に理科の特別授業を実施
1月31日(火)、能美市立宮竹小学校の4年生31名に理科の特別授業を実施しました。これは、児童に理科への関心をより深めてもらう取組として、同小学校から本学に対して企画の依頼があったものです。
特別授業では、濵田准教授(生命機能工学領域)、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授(応用物理学領域)及び木村技術専門職員が講師となって、液体窒素を用いた科学実験を行いました。
液体窒素によって、風船や乾電池などの身近な材料が化学反応を起こす光景に、子供たちは目を輝かせて見入っていました。子供たちにとって、先端科学技術の世界に触れるまたとない機会となりました。

濱田准教授による説明

液体窒素の実験風景
平成29年2月1日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2017/02/1-1.html平成28年度 ナノテクノロジープラットフォーム公開講座「材料の微細加工のためのイオンビーム技術の基礎と実習」開催
本学では、地域社会へ開かれた大学を目指す一環として、下記のとおり公開講座を開講いたします。
日 時 | 平成29年1月19日(木) 10:00~17:00 |
場 所 | 北陸先端科学技術大学院大学 JAISTイノベーションプラザ |
テーマ | 「材料の微細加工のためのイオンビーム技術の基礎と実習」 |
講 師 | 応用物理学領域 教授 富取 正彦 株式会社日立ハイテクノロジーズ、本学客員教授 八坂 行人 ナノマテリアルテクノロジーセンター 准教授 赤堀 誠志 技術サービス部 技術専門職員 宇野 宗則 水田研究室研究員 マレク シュミット |
内 容 | Gaに代表される液体金属イオン源を用いた集束イオンビーム(FIB)技術は、透過型電子顕微鏡用試料の作製や半導体製造用フォトマスクの修正など、様々な材料の微細加工に広く利用されている。また近年さらなる微細化に向け、電界電離ガスイオン源(GFIS)を用いたFIB技術が進展しており、本学にもH25年度に装置が導入され、H27年度からナノテクノロジープラットフォーム事業の登録装置として外部公開されている。 本講座では、材料の微細加工に有用なFIB技術を広く良く知っていただくことを目的として、FIBおよび関連要素技術の一つである電界イオン顕微鏡(FIM)の基礎を講義するとともに、GFIS-FIB(もしくはGa-FIB)装置を用いてビーム調整や微細加工の実習を行う。 |
対 象 | 企業・他大学等に所属する方で、FIB、GFIS-FIBについて学びたい、 あるいは本学のこれらの装置の利用を希望される方 |
定 員 | 5~7名程度 (先着順 定員に達し次第締切) |
受講料 | 6,200円(税込) |
申込方法 | 受講希望の方は、 ①氏名(ふりがな) ②勤務先等・職名 ③受講の目的 ④本講座に期待すること ⑤書類送付先 ⑥電話番号 ⑦メールアドレス を明記の上、E-mail またはFAXでお申し込みください。 ● 申込書はこちらから |
申込締切 | 平成29年1月10日(火)必着 |
お申込・ 問合わせ先 |
北陸先端科学技術大学院大学 研究国際部 研究推進課 総括・企画係 TEL:0761-51-1896・1902 FAX:0761-51-1919 E-mail:r-soukatsu@jaist.ac.jp |
欠陥修復した酸化グラフェンから優れた電気特性をもつバンド伝導の観察に成功

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大阪大学 北陸先端科学技術大学院大学 名古屋大学 公益財団法人科学技技術交流財団 あいちシンクロトロン光センター |
欠陥修復した酸化グラフェンから
優れた電気特性をもつバンド伝導の観察に成功
~高結晶性グラフェン薄膜のスケーラブル製造への道筋を開拓~
研究成果のポイント | ||
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<概要> 大阪大学大学院工学研究科の根岸良太助教、小林慶裕教授、北陸先端科学技術大学院大学の赤堀誠志准教授、名古屋大学大学院工学研究科の伊藤孝寛准教授、あいちシンクロトロン光センター渡辺義夫リエゾン副所長らの研究グループは、還元過程において微量の炭素源ガス(エタノール)を添加した高温(1100℃以上)加熱還元処理により欠陥構造の修復を促進させることで飛躍的に酸化グラフェンの結晶性を向上させ、還元処理をした酸化グラフェン薄膜においてグラフェン本来の電気伝導特性を反映したバンド伝導の観察に初めて成功しました。(図1)
このバンド伝導の発現により、還元処理をした酸化グラフェン薄膜としては現状最高レベルのキャリア移動度(~210cm2/Vs)を達成しました。 本成果によって、酸化グラフェンは、還元処理によりグラフェン薄膜の生成が可能なため、グラフェンを利用した電子デバイスやセンサーなど様々な応用が期待されています。 本研究成果は、日本時間 7月1日(金) 午後6時に英国の科学オープンアクセス誌「Scientific Reports (Nature Publishing Group)」に公開されます。 ![]() 図1 酸化グラフェンの還元法に対する(a)従来法と(b)本手法との比較。(c)低結晶性と(d)高結晶性グラフェンにおける電子・ホールの流れる様子の違い。処理温度の異なるエタノール還元処理後の酸化グラフェン薄膜の伝導度における観察温度存性(e)900℃、(f)1130℃。伝導機構モデルに基づく伝導度の温度依存性解析から、1130℃の高温エタノール加熱還元処理した酸化グラフェン薄膜では観察温度が室温~40Kの範囲においてバンド伝導が観察されている((f)のグラフ)。 |
<研究の背景> | |||
![]() その発見者であるガイム、ノボセロフはその重要性から2010年にノーベル賞を受賞しています。大量合成可能な酸化グラフェンは、還元処理によりグラフェンを形成させることが可能なため、グラフェンの合成における出発材料として、世界中で大変注目されています。 しかしながら、酸化グラフェンは非常に多くの欠陥構造を有するため、還元処理後に得られるグラフェン薄膜のキャリア移動度(トランジスタ性能の指標となり、物質を伝搬する電子・ホールの速さ:速いほどトランジスタ性能が良い)はせいぜい数cm2/Vsに留まっていました。 現在、最も結晶性の高いグラフェンの合成方法は、HOPG(高配向性のグラファイト)からスコッチテープで一枚ずつ剥離して基板へ転写する方法です。しかしながら、この方法では得られるグラフェン片のサイズは数μm程度と小さい上に、小さなフレークを幾重にも重ねてデバイスとして利用可能な薄膜にしなければなりません。これは至難の作業です(図2(a))。 一方、酸化グラフェンは親水性のため水によく分散させることができるので、その水溶液を基板上に滴下して水分を飛ばし還元するだけで、容易に厚さ1-3層分の薄いグラフェン薄膜を形成させることが可能となります(図2(b))。そのため、グラフェンを大量に合成する原料として、酸化グラフェンの合成法や還元法が世界中で研究されています。
酸化グラフェンからグラフェンを生成するためには還元処理が必須となりますが、一般的な化学還元や真空・不活性ガス(アルゴンなどカーボンと化学反応を起こさないガス)中での加熱還元処理では、酸化過程で形成した欠陥構造が還元後も多く残るため、これまで薄膜のキャリア伝導機構は電子が局在したホッピング伝導※7を示すことが知られていました。 ![]() 図3 処理温度の異なるエタノール還元処理後の酸化グラフェン薄膜およびグラファイト(HOPG)からのX線吸収微細構造スペクトル。1130℃の高温エタノール還元処理では非占有準位であるπ*とσ*のピーク強度比が900℃処理よりも完全結晶であるグラファイトで観察された強度比に近い値を示しており、酸化グラフェンの高結晶化に伴いバンド(電子)構造が理想的なグラフェンに近づいていることが分かる。 図1(c),(d)の伝導機構に対する模式図で示すように、薄膜内に欠陥構造が多い場合(図1(c))、欠陥構造がキャリア(電子・ホール)の流れに対して大きな壁となります。キャリアは熱エネルギーの助けを借りてこの障壁を乗り越えるようにホッピング伝導します。これは、キャリアにとって大きなエネルギーを必要とし、著しい移動度の低下を引き起こします。一方で、欠陥構造の領域が減少すると障壁の高さが低下し(図1(d))、キャリアの流れはスムーズになり、グラフェンの結晶性を反映したバンド伝導を示すことが期待されます。 |
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<研究の内容> | |||
本研究グループは、1-3層(厚さ:~1nm)からなる極めて薄い酸化グラフェン薄膜をデバイス基板上へ塗布し、エタノール添加ガス雰囲気で1100℃以上の高温加熱還元処理を行うことにより(図1(b))、高移動度の薄膜形成に成功しました。還元処理をしたグラフェン薄膜における電気伝導度の温度特性解析から、バンド伝導が観察されました。低結晶性を示す低温(900℃)でのエタノール還元処理では、電子の流れ(図1(e)のグラフ:Y軸)は観察温度Tの-1/3乗(X軸)に対して線形に変化しており、この振る舞いはホッピング伝導モデルで説明することができます。一方、高結晶性を示すグラフェン薄膜が生成される高温条件(1130℃)では、観察温度が室温から40Kの範囲で伝導度(図1(f)のグラフ:Y軸)がTの-1/3乗に対して非線形的変化を示し、バンド伝導モデルで説明することができます。これは、カーボン原材料となるエタノールガスの添加により、酸化過程で生成した欠陥構造の修復が効率的に促進し、グラフェンの結晶性が飛躍的に向上していることを意味しています。実際、バンド伝導の発現を裏付けるデータとして、X線吸収微細構造スペクトル※8 を実施して電子構造※9 の視点からもこの物性を実証しました(図3)。さらに、ミクロ領域の構造解析法である透過型電子顕微鏡※10 観察からも、結晶性の向上を明らかにしました(図4)。
![]() 図4 処理温度の異なるエタノール加熱還元処理後の酸化グラフェン薄膜の透過型電子顕微鏡像(a)900℃、(b)1100℃。処理温度1100℃では炭素原子の蜂の巣構造を反映した輝点が周期的に配列しており、結晶性が飛躍的に向上していることが分かる。 |
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<本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)> | |||
酸化グラフェンは、還元処理によりグラフェン薄膜の生成が可能なため、グラフェンを利用した電子デバイスやセンサーなど様々な応用が期待されています。本研究の成果は、グラフェンの優れた物性を活用したスケーラブルな材料開発の進展において重要なマイルストーンとなります。
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<特記事項> | |||
本研究成果は、日本時間 7月1日(金) 午後6時に英国の科学オープンアクセス誌「Scientific Reports (Nature Publishing Group)」に公開されます。
タイトル:"Band-like transport in highly crystalline graphene films from defective graphene oxides" 著者名:R. Negishi, M. Akabori, T. Ito, Y. Watanabe and Y. Kobayashi なお本研究は、JSPS科研費PJ16K13639, 26610085, JST育成研究 A-STEP No. AS242Z02806J, AS242Z03214M, 大阪大学フォトニクス先端融合研究センター、「低炭素研究ネットワーク」京都大学ナノテクノロジーハブ拠点、北陸先端科学技術大学院大学ナノテクノロジープラットフォーム事業の一環として行われ、京都大学 大学院理学研究科 倉田博基教授、大阪工業大学教育センター 山田省二教授、大阪大学大学院理学研究科 髙城大輔助教、あいちSRセンター 仲武昌史氏、北陸先端科学技術大学院大学 村上達也氏の協力を得て行われました。 |
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<用語説明> | |||
※1 欠陥構造
グラフェンは炭素原子が蜂の巣状(ハニカム状)に結合したシート状の物質であり、欠陥構造とはこのハニカム状の構造の変形や、カーボンそのものが欠損した穴、カーボンがそれ以外の元素(酸素など)と結合した状態等を指す。 ※2 酸化グラフェン
酸化処理によりグラファイトから化学的に剥離させた厚さ1原子層分のシート状の材料。水や有機溶媒に溶け、液体として取り扱うことができるため、任意基板へ塗布するだけでグラフェン薄膜を容易に大面積で作成することができる。しかし、酸化処理により多くの欠陥構造や酸素含有基を含むため、その伝導特性は高配向性グラファイト(HOdivG)から得られるグラフェンと比較して著しく低い。このことが酸化グラフェン材料のデバイス応用に向けて大きなボトルネックとなっている。 ※3 バンド伝導
キャリアが周期的電子構造を持つ固体結晶内を波として伝搬する伝導機構。 ※4 キャリア移動度
固体物質内におけるキャリア(電子・ホール)の動きやすさを表わし、トランジスタ性能の基本的な指標となる。 ※5 還元処理
グラファイトの酸化処理により合成された酸化グラフェンは多くの酸素含有基を含むため絶縁性を示す。電子デバイスへの応用には、これら酸素含有基を取り除くための還元処理が必須となる。 ※6 スケーラブル
製造プロセスやネットワークシステムなどにおいて現時点では小規模なものであるが、リソースの追加により大規模なものへ拡張できる能力。 ※7 ホッピング伝導
キャリアが固体結晶内の欠陥構造などに起因した局在電子準位を熱エネルギーの助けを借りて移動する伝導機構。 ※8 X線吸収微細構造スペクトル
X線を物質に照射するとX線の吸収に伴い観察対象となる原子の電子が放出し、周辺に位置する原子によって散乱・干渉が起きる。このようなX線の吸収から原子の化学状態や電子構造を調べることができる。 ※9 電子構造
固体内の原子・分子の配置に起因した電子の状態。周期的な結晶構造を持つ物質では、物質中の電子のエネルギーと運動量の関係が物質間の相互作用のためにエネルギー状態が帯状に広がったバンド構造を持つ。 ※10 透過型電子顕微鏡
観察の対象となる物質に電子を照射し、それを透過してきた電子を観察する顕微鏡。原子スケールで固体結晶の構造解析が可能。 |
平成28年7月1日
出典:JAIST プレスリリース https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2016/07/01-1.html