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学長メッセージ

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  世界トップレベルの研究を背景とした人材育成と社会変革への貢献
 最先端の研究と共創により
 未来を拓き世界をリードする
学長 寺野 稔 

 本学は1990年10月の創設以来、先端科学技術の広い分野において世界トップレベルの研究成果を生み出すとともに、社会や産業界で活躍する優れた人材を育成してきました。
 本学創設の理念は、平成2年9月の「北陸先端科学技術大学院大学の構想の概要について」(通称“イエローブック”)に示されており、「先端科学技術分野に係る高度の基礎研究の推進」と「高度な研究者・技術者の養成と再教育」が創設の目的として掲げられていました。現在、社会はAIやデータサイエンス、量子技術、GX(グリーントランスフォーメーション)などの急速な技術革新に加え、地球規模の課題や社会構造の変化に直面しています。これに伴い、大学に求められる役割も大きく変化しています。本学はこの理念を受け継ぎながら、従来の『JAIST未来ビジョン』を改定し、令和8年4月に『JAIST未来ビジョン BEYOND』として、世界トップの研究大学を目指すための更なる指針を示しました。

[ JAIST 未来ビジョン BEYOND ]
 北陸先端科学技術大学院大学は、学部を持たない国立大学院大学としての特徴・特性を活かす戦略的な経営と徹底した産学官連携・国際連携により、今を超え未来を拓く独創的な研究とそれを通じた高度専門人材の育成を共創的に推進する。
 多様な人材が集い育ち新たな知を創り続ける拠点として、また世界の知と人材をつなぎ循環・高度化させる中核として、我が国の知の総和の向上と人類知性の発展に貢献し、社会の変革を先導する世界トップの研究大学を目指す。

 独自のキャンパスと教育研究組織を持つ日本最初の国立大学院大学として、本学に課せられた最も重要な使命は、「世界トップレベルの研究推進」「人材育成」「社会貢献」です。また、パンデミックや大規模災害など、人類共通の危機の解決に貢献することも、研究大学としての重要な責務であると考えています。

世界トップレベルの研究

 研究に関しては、教員一人一人の専門性を大切にするとともに、学内外の研究者間の連携による新しい研究分野・研究領域の開拓を進めています。近年は、文部科学省をはじめ経済産業省や科学技術振興機構(JST)などの大型外部資金の獲得による研究施設・研究拠点の整備にも力を入れており、国内外の研究者はもちろん、世界中の大学や公的研究機関、企業などとの幅広い連携を強化し、世界の先端科学技術研究の中核としての機能の確立を目指します。

最先端の教育システム

 本学の理念に示されている「科学技術創造により次代の世界を拓く指導的人材を育成する」ために、学生自身も「科学技術創造」に直接関わっていくべきであると考えます。そのため、教員による研究指導に加えて、それをより有効とするための幅広い知識とその活用に関する方法論についての系統的な教育が必要です。このような教育は修了後に社会で活躍するための基礎となるものです。学生にとっては社会に出た後にこそ、その真価が問われます。社会において優れた成果を上げるために、しっかりとした基礎知識と課題解決への方法論を身につけていることが重要であり必要です。受講する講義を全分野から自由に選択できるという本学の教育上の特徴を維持しつつ、一研究科としての継続的なカリキュラム改革を進めていきます。アップデートされ充実したカリキュラム編成は大学における教育の根幹をなすものです。

学生募集と支援

 博士前期課程の学生の募集については、既に定員を大幅に上回る志願者を得ていますが、今後は、より充実し安定した学生募集事業を推進していきます。このため、他大学の教員との連携や全国各地域の大学との推薦入学協定の締結を進めます。
 博士後期課程の学生については、その増加が本学の研究力の向上に直接的な効果を持つため、特に力を入れた支援をしていきます。博士後期課程に関しては、経済的な負担や修了後の進路への不安から進学をためらうという状況もみられることから、抜本的な経済的支援を進めるとともに、企業との共同研究への参加やインターンシップ、また就職を前提とした企業からの修学支援など産業界を志向した施策を強化し、博士後期課程への進学を促します。

ダイバーシティ豊かな環境

 本学では在学生の40%近くが海外約20か国からの留学生であり、多くの授業が英語で行われています。このようなダイバーシティ豊かな環境をこれからも維持していくことが、グローバルに活躍できる人材の育成に有効であると考えています。

社会人のリカレント・アップスキル教育

 東京サテライトを活用した社会人のリカレント・アップスキル教育については、技術経営(MOT)を中心に長い歴史を有しています。現在ではMOT以外に多様なプログラムを開講し、正規学生として多くの社会人を受け入れています。今後は、東京での社会人教育システムを北陸にも広げ、より多くの社会人学生の獲得を目指します。

産学連携の推進と活用

 産学連携に関しては、本学創設後の早い時期から活発に行ってきました。企業との共同研究に代表される産学連携では、研究費の獲得や研究成果の社会実装など多くの研究面でのメリットがあり、今後もより積極的に進めていきます。また、共同研究に学生が参加すれば、実用性やコスト、知的財産の扱いなどより広い観点から研究をとらえる機会を得ることができ、教育面でも大きなメリットがあります。本学では、このような産学連携の教育面でのメリットに着目し、産業界の知を活用することを目的として産学官連携客員教授の制度を確立し、教育にも関わっていただいています。

「Matching HUB」の展開

 大学や産業界の多様なシーズとニーズをマッチングさせ、イノベーションの創出につなげることを目的に、2014年度以降継続的に開催し、全国にも展開している産学連携・地域連携関連の代表的なイベントとして「Matching HUB」があります。2025年11月の第12回金沢開催では、1898名の参加者を得ることが出来ました。2017年の第4回からは、「Matching HUB」への学生の参画を促し起業意識を高めることを目的として、学生のアイデアコンテストである「Matching HUB Business Idea & Plan Competition」(M-BIP)を開催し、全国から多数の応募を得ています。「Matching HUB」は、熊本、小樽・札幌、徳島、長岡など全国各地に展開しており、それらをネットワーク化することで開催各地域はもちろん日本全体の活性化にも貢献しています。

 北陸先端科学技術大学院大学は、「世界トップレベルの研究の推進と、それを通じた人材育成と社会貢献」を使命とし、未来を拓き世界をリードする研究大学として大きく発展していきます。

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