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研究概要(研究室ガイド)やプレスリリース・受賞・イベント情報など、マテリアルサイエンスの研究室により公開された情報の中から、興味のある情報をタグや検索機能を使って探すことができます。物質化学領域の都准教授らの論文がAngewandte Chemie International Edition誌の表紙に採択

物質化学領域の都 英次郎准教授らの論文がAngewandte Chemie International Edition誌の表紙に採択されました。なお、本研究成果は日本学術振興会科研費[基盤研究A、基盤研究B、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]、フランス国立研究機構、グラフェンフラッグシップ、スペイン財務省、バレンシア州自治政府の支援のもと、フランス国立科学研究センターと行われた共同研究によるものです。
■掲載誌
Angewandte Chemie International Edition
■著者
Matteo Andrea Lucherelli, Yue Yu, Giacomo Reina, Gonzalo Abellán, Eijiro Miyako*, Alberto Bianco*
■論文タイトル
Rational chemical multifunctionalization of graphene interface enhances targeting cancer therapy
■論文概要
本研究は、三種類の機能性分子(近赤外蛍光プローブ、抗ガン剤、腫瘍マーカー認識分子)をグラフェン表面上に一度に化学修飾できること、そしてその合理的な分子設計に基づいた効果的なガン分子標的治療技術への応用の可能性を示した。なお、本研究成果は、JAISTホームページからプレスリリースしている。
論文詳細:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/anie.201916112
表紙詳細:
https://doi.org/10.1002/anie.202007535
プレスリリース:
https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2020/04/23-1.html
令和2年6月25日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2020/06/25-1.html物質化学領域の都准教授らの研究成果がAdvanced Science Newsで紹介
物質化学領域の都 英次郎准教授、谷池 俊明准教授、西村 俊准教授らの「昆虫機能を模倣したミリメータースケールのロボット(ミリボット)」に係る研究成果が、Advanced Intelligent Systems 誌(Wiley社)に掲載され、Advanced Science Newsにてハイライトされました。なお、本研究成果は日本学術振興会科研費[基盤研究A、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]の支援のもと行われたものです。
■掲載誌
Advanced Intelligent Systems
■著者
Sheethal Reghu, Hui You, Kalaivani Seenivasan, Shun Nishimura, Toshiaki Taniike, Eijiro Miyako*
■論文タイトル
Design and control of bioinspired millibots
■論文概要
本研究は、マグネタイト、ゼオライト イミダゾリウム フレームワーク-8(ZIF-8)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る機能性ナノコンポジットを開発し、光や磁場といった外部刺激によって機能制御可能なミリメータースケールのロボット(ミリボット)を作製しました。本ミリボットは、昆虫の様々な動きや機能からインスピレーションを得ており、例えば、アメンボのように水面上をスイスイと動くなど、多彩な性能を発揮します。
論文詳細:
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/aisy.202000059
Advanced Science News詳細:
https://www.advancedsciencenews.com/millibots-act-as-artificial-insects/
令和2年6月12日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2020/06/12_3.html学生の米澤さんの論文がWiley社刊行Surface and Interface Analysis誌でTOP DOWNLOADED PAPER(2018-2019)の1つに選出

学生の米澤 隆宏さん(2020年3月博士後期課程修了、応用物理学領域、高村研究室)による、国際学術誌Surface and Interface Analysisに掲載された論文 "Atomistic study of GaSe/Ge(111) interface formed through van der Waals epitaxy" が、2018年1月~2019年12月の間に同誌に掲載された論文の中で、オンライン掲載後12ヶ月のダウンロード数において上位10%を記録したため、掲載直後に最も多く読まれた、immediate impactのある論文の1つとして認められました。
■選出された論文のタイトル
Atomistic study of GaSe/Ge(111) interface formed through van der Waals epitaxy
■著者
Takahiro Yonezawa, Tatsuya Murakami, Koichi Higashimine, Antoine Fleurence, Yoshifumi Oshima, and Yukiko Yamada-Takamura
■対象となった研究の内容
光デバイスや電子デバイス、スピントロニクスデバイス等への応用が期待される半導体層状物質のGaSeは従来、Se原子が三角柱型に配置された単位層構造のみを有すると考えられてきました。それに対して本研究では、分子線エピタキシー法によるGe基板上へのGaSe薄膜成長時に、従来報告例のない反三角柱型のSe原子配置をもつ単位層が基板との界面に局所形成されることを断面走査透過電子顕微鏡観察により明らかにしました。
■選出にあたっての一言
本研究の遂行にあたり熱心にご指導くださった応用物理学領域の高村由起子先生、大島義文先生、アントワーヌ・フロランス先生に心より感謝いたします。また、多くの技術的なご指導をしてくださったナノマテリアルテクノロジーセンターの村上達也様、東嶺孝一様にも深く感謝いたします。今後、この新たなGaSe相の生成機構や通常のGaSe相との構造の違いに起因した特異物性が解明されることにより、本成果がGaSe薄膜の、ひいては層状物質薄膜全体の成長技術の進展と応用可能性の拡大につながることを期待します。
令和2年5月25日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2020/05/25-1.html"三種の神器"を備えた多機能性グラフェンの開発 -ガン分子標的治療技術を目指して-

国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
フランス国立科学研究センター
"三種の神器"を備えた多機能性グラフェンの開発
-ガン分子標的治療技術を目指して-
ポイント
- 三種類の機能性分子(近赤外蛍光プローブ、抗ガン剤、腫瘍マーカー認識分子)をグラフェン表面上に一度に化学修飾することに成功
- 多機能性グラフェンの合理的な分子設計によって選択的かつ効果的なガン細胞死を誘導することに成功
北陸先端科学技術大学院大学(学長・寺野 稔、石川県能美市)、先端科学技術研究科物質化学領域の都 英次郎准教授らはフランス国立科学研究センター(所長、アントワーヌ・プチ、フランス・パリ)のアルベルト・ビアンコ博士ら(同センター、細胞分子生物学研究所、フランス・ストラスブール)と共同で、多機能性グラフェン*1を活用した新しいガン分子標的治療技術の開発に成功した(図1)。
本研究は、グラフェンに様々な機能性分子を一度に化学修飾できること、そしてその合理的な分子設計に基づいた効果的なガン分子標的治療技術への応用の可能性を示した。今後は、この技術を応用して、マウスやラット等の実験動物の体内における抗ガン作用を詳細に調べていく予定である。 本成果は、2020年4月21日にWiley-VCH発行「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版に掲載された。なお、本研究は、日本学術振興会科研費[基盤研究A、基盤研究B、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)]、フランス国立研究機構、グラフェンフラッグシップ、スペイン財務省、バレンシア州自治政府の支援を受けて行われた。 |
図1. 多機能性グラフェンの分子構造
【論文情報】
掲載誌 | Angewandte Chemie International Edition (Wiley-VCH) |
論文題目 | Rational chemical multifunctionalization of graphene interface enhances targeting cancer therapy |
著者 | Matteo Andrea Lucherelli, Yue Yu, Giacomo Reina, Gonzalo Abellán, Eijiro Miyako*, Alberto Bianco* |
掲載日 | 2020年4月21日にオンライン版に掲載 |
DOI | 10.1002/anie.201916112 |
【用語説明】
*1 グラフェン
炭素原子だけで構成される二次元シート状のナノ炭素材料。厚さが炭素一個分に相当し、炭素原子が蜂の巣のような六角形に連結した構造を持つ。優れた電気伝導性、熱伝導性、機械的強度、化学的安定性などを持っており、幅広い分野での応用が期待されている。
*2 インドシアニングリーン(ICG)
医療診断で使用されるシアニン色素の一種である。生体透過性の高い近赤外波長領域の光が利用できるため生体深部の診断や治療に有用と考えられている。
*3 葉酸
葉酸はビタミンB群の一種。ガンマーカー認識素子として葉酸受容体を標的にしたドラッグデリバリーシステムが開発され、ガンの診断や治療に応用されつつある。
*4 ドキソルビシン(Dox)
抗ガン剤の一種である。腫瘍細胞の核内の遺伝子に結合することで、DNAやRNAを合成する酵素の働きを阻害することで抗腫瘍効果を示す。
令和2年4月23日
出典:JAIST プレスリリース https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2020/04/23-1.html宮竹小学校の児童が来学 -本学がより身近になりました-

2月4日(火)、能美市立宮竹小学校の3年生24名がJAISTギャラリーや附属図書館の見学を行いました。実際に触って解いて遊ぶことができるパズルの数々や本棚に並ぶ多くの図書に興味津々な様子でした。
また、2月18日(火)に同校の4年生16名が理科特別授業を受けました。
特別授業では、ナノマテリアルテクノロジーセンターの赤堀准教授(応用物理学領域)及び木村技術専門職員が講師となり、液体窒素を用いた様々な科学実験を行いました。
液体窒素によって、花やスーパーボール、乾電池などの身近な物が化学反応を起こす光景に、子供たちは目を輝かせて見入っていました。
今回の企画は、科学技術の世界に触れるまたとない機会となりました。

3年生がパズルを体験(JAISTギャラリー)

液体窒素を用いた科学実験を行う4年生
令和2年2月20日
出典:JAIST お知らせ https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/info/2020/02/20-1.html物質化学領域の松見教授がFiMPART2019においてPadmashri Dr. Baldev Raj FiMPART Distinguished Researcher Awardを受賞

2019年12月15日~18日に、インドのアーメダバードで開催されたFiMPART (Frontier in Materials, Processing, Application, Research and Technology)2019において、松見 紀佳教授(物質化学領域)がPadmashri Dr. Baldev Raj FiMPART Distinguished Researcher Awardを受賞しました。
FiMPARTは、材料研究の様々な分野について議論する場を提供し、それらの分野における技術革新を目的に開催されます。FiMPART2019は、2015年のハイデラバード(インド)、2017年のボルドー(フランス)に続いて3回目の開催となり、アーメダバード市長の開会挨拶のもと、百数十名が参加しました。
今回、インドの物理学者で一昨年逝去し、インド首相が追悼の意を表したPadmashri Dr. Baldev Rajの名を付した賞が設けられ、運営委員会メンバーからの6名の候補者の推薦をもとに協議が行われ、受賞者が選出されました。
■受賞年月日
令和元年12月17日
■受賞にあたっての一言
この度、このような賞を頂き大変光栄と存じます。近年の研究成果はこれまでに本研究室に関わったスタッフや学生諸氏の貢献が大きく、この場を借りて御礼申し上げます。また、JST未来社会創造事業による研究助成にも併せて感謝の意を表します。今後さらに良い成果を生み出せるようチームとして努力を続ける所存です。
令和2年1月10日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2020/01/10-1.html知能ロボティクス領域のHO准教授が2019年IEEE名古屋支部若手奨励賞を受賞

知能ロボティクス領域のHO, Anh Van准教授が2019年IEEE名古屋支部若手奨励賞を受賞しました。
IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers)は、アメリカ合衆国に本部を置く工学を専門とする世界最大の学会であり、現在160ヵ国以上に、40万人を超える会員がいます。 IEEEには約300の支部があり、IEEE名古屋支部はその一つで、東海地区(愛知、岐阜、三重、静岡)および北陸地区(福井、石川、富山)に在住する IEEE 会員によって構成され、現在約1,400名の会員がいます。
IEEE名古屋支部若手奨励賞(IEEE Nagoya Section Young Researcher Award)は、IEEE名古屋支部所属の35歳以下の若手支部会員を対象として、IEEE発行の雑誌に採録された実績やIEEEの活動に貢献した業績などを評価し、授与されるものです。
■受賞年月日
令和元年12月14日
■受賞にあたっての一言
この度、IEEE名古屋支部若手奨励賞を受賞し、大変光栄に思います。日頃から、研究に協力いただいているSoft Haptics研究室のメンバーやその他関係者に感謝を申し上げます。
令和元年12月24日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/12/24-1.html学生の熊倉さんが2019年度第68回高分子学会北陸支部研究発表会において優秀研究賞を受賞
学生の熊倉 拓哉さん (博士前期課程 2 年、環境・エネルギー領域、金子達雄研究室) が2019年度第68回高分子学会北陸支部研究発表会において優秀研究賞を受賞しました。
高分子学会北陸支部では、北陸地域を中心に幅広い分野における高分子科学を基軸として研究を展開する研究者・学生らの学術交流として、毎年、研究発表会を開催しています。
優秀研究賞は、高分子学会北陸支部研究発表会の「高分子化学部門」と「高分子構造・高分子物理部門」、「高分子機能部門」のそれぞれにおいて、優秀な研究発表を行った学生に授与されます。
今回、第68回高分子学会北陸支部研究発表会は、11月30日~12月1日にかけて石川県金沢市で開催されました。
■受賞年月日
令和元年11月30日
■発表者名
熊倉拓哉、高田健司、金子達雄
■発表題目
2,5-ビス(アミノメチル)フランを用いたバイオベースポリウレアの合成と熱応答性の評価
■研究概要
本研究では、実際に微生物生産されたバイオ由来 2,5-ビス(アミノメチル)フランを原料として、熱により自己修復性を示すポリウレアゲルの合成法を確立した。主鎖に反応性を有するフランが配置されたポリウレアは、ビスマレイミド類と共存させることで Diels-Alder 反応を起こしゲル化する。このゲルは加熱することで溶融し、冷却することで固化する熱可塑的な挙動を示すことを明らかにした。さらに、ゲルを切断した後、切断面を張り合わせ加温することで接着するという自己修復能力も見出した。以上の成果は、新たなバイオベースポリマー材料を開発しただけでなく、高機能樹脂への展開も可能であるなど、バイオベースポリマーの汎用性を拡大するものである。
■受賞にあたって一言
この度は、第68回高分子学会北陸支部研究発表会におきまして、このような賞をいただけたことを大変光栄に思います。本研究の遂行にあたり、日頃よりご指導をいただいている金子達雄教授、桶葭興資講師、高田健司特任助教、Kumar Amit特任助教にこの場をお借りして心より御礼を申し上げます。さらに、多くのご助言をいただきました研究室のメンバー、およびバイオモノマー原料を提供していただいた株式会社日本触媒さまに深く感謝いたします。
令和元年12月13日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/12/13-1.html学生の熊倉さんが第68回高分子討論会にて優秀ポスター賞を受賞
学生の熊倉 拓哉さん (博士前期課程2年、環境・エネルギー領域、金子研究室) が第68回高分子討論会にて優秀ポスター賞を受賞しました。
高分子学会では、幅広い分野における高分子科学を基軸として研究を展開する研究者らの学術交流として、毎年、5月に年次大会、9月に討論会を全国にて開催しており、今年は福井大学にて開催されました。近年の高分子学会では、大学のみならず企業の参加者も増加し、様々な分野における口頭発表、ポスター発表、展示会、共同研究のディスカッションなどの交流が行われています。このうち、ポスター発表では、特に優れた発表を行った学生に対しポスター賞が授与されます。
■受賞年月日
令和元年10月9日
■発表者名
熊倉拓哉、Kumar Amit、高田健司、金子達雄
■発表題目
バイオマス由来2,5-ビス(アミノメチル)フランをベースとしたポリウレアの合成
■研究概要
本研究では微生物の糖代謝により得られるバイオベース 2,5-ビス(アミノメチル)フラン (AMF) を原料としたポリウレアの合成手法の確立および物性評価、機能化を目的とした。本研究により主鎖にフランを有したポリウレアの合成に成功し、フランの反応性を利用した可逆性ゾル-ゲル反応に基づく、自己修復性を示すゲルを開発した。これにより、バイオ由来AMFから新規ポリマーの合成法を確立するだけでなく、材料の機能化の幅を拡大することが可能となった。
■採択にあたって一言
この度は、第68回高分子討論会におきまして、このような賞をいただけたことを大変光栄に思います。本研究の遂行にあたり、厳格かつ熱心にご指導を頂きました金子達雄教授、桶葭興資講師、高田健司特任助教、Kumar Amit特任助教にこの場をお借りして心より御礼を申し上げます。さらに、多くのご助言をいただきました研究室のメンバー、およびバイオモノマー原料を提供していただいた株式会社日本触媒に深く感謝いたします。
令和元年10月23日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/10/23-3.html学生の舟橋さんが令和元年度International Workshop on Japan-South-East Asia Collaboration Hub of Bioplastics StudyにてBEST POSTER AWARDを受賞
学生の舟橋 靖芳さん (博士後期課程1年、環境・エネルギー領域、金子研究室) が令和元年度International Workshop on Japan-South-East Asia Collaboration Hub of Bioplastics StudyにてBEST POSTER AWARD を受賞しました。
Japan-South-East Asia Collaboration Hub of Bioplastics Study (日本―東南アジアバイオプラスチック共同研究拠点)は、日本と東南アジア諸国のバイオプラスチックの研究者が一同に会し、研究者の密な交流に基づきバイオプラスチック研究の共同研究拠点を形成することを目指すプロジェクトです。International Workshop on Japan-South-East Asia Collaboration Hub of Bioplastics Studyは、高分子科学を中心とした研究を展開する若手研究者の交流と、更なる研究の活性化を目的として開催されました。幅広い高分子科学の研究分野を融合することによる新規材料の研究・開発を目指し、著名な研究者の講演および、学生を中心としたポスター発表や交流会が行われました。このうち、ポスターセッションでは、特に優れた発表を行った学生へBest Poster Awardが授与されます。
■受賞年月日
令和元年9月27日
■発表者名
Yasuyoshi Funahashi, Kenji Takada, Amit Kumar, Tatsuo Kaneko
■発表題目
Preparation of water soluble, high-performance biopolyamides with alkaline earth/alkali metals
■研究概要
本研究では、微生物から誘導可能な化合物の一種である 4-アミノ桂皮酸を原料としたポリアミド (高耐熱・高透明性・高強度材料の一種) の合成と水溶性の制御を目的とした。4-アミノ桂皮酸由来のポリアミドは非常に高い熱力学物性を示したが、特定の有機溶媒にしか溶けない性質があり、取り扱いに問題があった。本研究ではポリアミドの分子構造に着目し、水溶性の付与、並びに不溶化を行う条件を見出した。これにより、ポリアミドの取り扱いの問題を解決するだけでなく、物性の向上と材料の応用範囲を拡大することが可能となった。
■採択にあたって一言
このような賞を頂き大変光栄に思います。本研究の遂行にあたり、厳格なご指導を頂きました金子達雄教授、桶葭興資講師、高田健司特任助教、Amit Kumar特任助教には厚く御礼申し上げます。また多くのご助言を頂きました研究室のメンバーおよび共同研究者の方々に深く感謝いたします。
令和元年10月23日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/10/23-2.html学生の野田さんが15th IUPAC International Conference on Novel Materials and their SynthesisにてExcellent Poster Prizeを受賞
学生の野田 拓海さん (博士後期課程1年、環境・エネルギー領域、金子研究室) が15th IUPAC (International Union of Pure and Applied Chemistry) International Conference on Novel Materials and their Synthesisにて Excellent Poster Prize を受賞しました。
Novel Materials and their Synthesis (NMS-XV) では、材料科学を基盤とした研究を展開する研究者による学術交流と、更なる研究の活性化を目的として毎年、国際学会を開催しています。有機、無機を問わず、多岐にわたる材料開発研究を一つの学会にまとめることで他の研究分野を融合し、新規材料の研究・開発を展開することを目的として、各分野の研究者の講演および、ポスター発表や交流会が行われます。このうち、ポスターセッションでは、特に優れた発表を行った研究者へExcellent Poster Prizeが授与されます。
■受賞年月日
令和元年9月10日
■発表者名
Takumi Noda、Kenji Takada、Amit Kumar、Tatsuo Kaneko
■発表題目
Synthesis of Biopolyamides from 4-Aminocinnamoyl Photodimers with Different Bending Angles
■研究概要
高分子材料の物性は主鎖構造中の屈曲構造に大きく影響を受けます。本研究では微生物産生物質である4-アミノ桂皮酸から三種の屈曲角が異なる二量体を合成し、これらを用いたポリアミドの物性評価を行いました。その結果、最も直線状に近い二量体から合成したポリアミドが優れた耐熱性を有することを明らかにしました。
■受賞にあたっての一言
この度、15th IUPAC International Conference on Novel Materials and their Synthesisにおきまして、Award Letter to Excellent Poster Prizeをいただけたことを大変光栄に思います。本研究を進めるにあたり熱心にご指導をいただきました、金子達雄教授、桶葭興資講師、高田健司特任助教、Amit Kumar特任助教にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。さらに、多くのご助言をいただきました研究室のメンバーおよびスタッフの方々に深く感謝いたします。
令和元年10月23日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/10/23-1.html学生のYAOさんが第68回高分子討論会において優秀ポスター賞を受賞
学生のYAO, Yuzeさん(博士前期課程2年・物質化学領域・長尾研究室)が第68回高分子討論会において優秀ポスター賞を受賞しました。
高分子討論会は、高分子科学に携わる研究者・技術者が研究成果の発表を行い、発表内容に関し、参加者と充実した討論およびコミュニケーションができる場を提供することを方針とし、開催されます。今回、第68回高分子討論会は、9月25日~27日にかけて、福井県福井市で開催されました。
■受賞年月日
令和元年9月27日
■研究題目、論文タイトル等
高プロトン伝導性半脂環式アルキルスルホン化ポリイミド薄膜におけるリオトロピック液晶性と組織構造
■研究者、著者
Yuze Yao, Hayato Watanabe, Mitsuo Hara, Shusaku Nagano, Yuki Nagao
■受賞対象となった研究の内容
固体高分子形燃料電池は、電気化学反応によって燃料の化学エネルギーから電気を取り出す電池です。この電池の高性能化のためには、燃料電池反応が起こる触媒層において、プロトンを円滑に輸送するアイオノマーと呼ばれる高プロトン伝導性高分子が必要です。本研究では、新規に合成されたスルホン化ポリイミド薄膜が、これまでの知見を超えて、10-1 S cm-1オーダーの高プロトン伝導率を示しただけでなく、その高プロトン伝導性が高分子の組織構造に由来することを見出しました。
■受賞にあたっての一言
このような名誉ある賞をいただくことができ、大変光栄に思います。本研究において熱心なご指導をいただきました長尾准教授と名古屋大学の永野修作先生をはじめ、多くのご助言をいただきました研究室の皆様にこの場をお借りして心より御礼を申し上げます。
令和元年10月18日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/10/18-1.html生命機能工学領域の山口准教授が日本糖質学会奨励賞を受賞

生命機能工学領域の山口拓実准教授が2019年度 (第22回) 日本糖質学会奨励賞を受賞しました。
日本糖質学会は、1978年に設立された炭水化物研究会を前身とする学会です。生命現象のあらゆる側面において重要な役割を果たす糖鎖について、その総合科学に関する基礎・応用研究の発展向上を図り、学際的な糖鎖研究をリードしています。日本糖質学会奨励賞は、糖質科学の分野で優れた研究成果を挙げた若手研究者に対し授与されるものです。
*参考
日本糖質学会ホームページ
■受賞年月日
令和元年8月19日
■受賞テーマ
常磁性NMR計測を活用した糖鎖の動的立体構造解析法の開発
■研究概要
柔軟な生命分子である糖鎖の機能を正しく理解するためには、静的な安定構造を捉えるだけではなく、動態としての描象が重要となります。本研究では、分子分光法と計算科学手法を組み合わせた、糖鎖の新しい物理化学解析法の開発に取り組みました。その結果、糖鎖の立体構造をダイナミックな揺らぎを含めて描き出すことが可能になりました。これにより、糖鎖が関わる生命現象メカニズムの一端についても解明が進みつつあります。本研究の進展により、病気原因の究明を含む、糖鎖の高次機能の更なる理解とその制御へ向けた道が開けるものと期待されます。
■受賞にあたっての一言
タンパク質・核酸につぐ第3の生命の鎖と呼ばれる糖鎖には、様々な研究分野の垣根を超えて取り組むべき多くの課題や謎、そして面白さがあります。本当に幸いなことに、学生さんをはじめ共同研究者に恵まれ、合成化学や物理化学、分子生物学にわたる様々な方法を用いてここまで研究を展開することができました。あらためて感謝するとともに、化学と生物学の橋渡しとなるような糖鎖工学研究をさらに進めていきたいと考えています。


令和元年8月29日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/08/29-1.html学生の蜂須賀さんがThe European Polymer Congress 2019においてSpringer Poster Awardを受賞
学生の蜂須賀 良祐さん(博士後期課程3年、物質化学領域、山口政之研究室)がThe European Polymer Congress 2019 (EPF 2019)においてSpringer Poster Awardを受賞しました。
The European Polymer Congressは、ヨーロッパでのポリマー分野における最も重要な国際会議で、今回、The European Polymer Congress 2019 (EPF 2019) は2019年6月9日~14日にかけてギリシャのヘルソニソスで開催されました。
■受賞年月日
令和元年6月14日
■発表題目
Interphase transfer of plasticizer between two immiscible polymers
■著者
蜂須賀良祐、猪俣俊紀、山口政之
■発表内容
非相溶な異種高分子対を混合すると相分離構造を形成する。そこに低分子化合物を添加すると、多くの場合、各高分子の相に溶解する。各相への低分子の溶解量は相溶性によって決定づけられるが、本研究では、その溶解量が温度によって変化することを証明した。本現象を材料設計に応用することで、温度変化に応じて振動吸収性や透明性・発色性などさまざまな物性を操作することが可能になる。
■受賞にあたっての一言
この度、The European Polymer Congress 2019においてSpringer Poster Awardを受賞することができ、大変光栄に思います。この場をお借りし、本研究を進めるにあたりご指導を頂きました山口教授、共同研究者の猪俣さんに厚く御礼申し上げます。これからも今回の受賞に満足することなく、研究に対して真摯に向き合い、精進する所存です。
令和元年7月12日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/07/12-1.html環境・エネルギー領域の桶葭講師が公益財団法人高分子学会2018年度高分子研究奨励賞を受賞

環境・エネルギー領域の桶葭 興資講師が公益財団法人高分子学会2018年度高分子研究奨励賞を受賞しました。
高分子研究奨励賞は、公益財団法人高分子学会が、高分子学会年次大会等において活発に発表あるいは活動している若手会員を対象に、将来、高分子科学の発展のために貢献する人材を育成することを目的に制定しているものです。
*参考
高分子学会ホームページ
■受賞年月日
令和元年5月30日
■研究題目
界面制御による多糖の自己組織化と機能性材料の設計
■受賞概要
桶葭興資氏は、多糖水溶液が乾燥界面で起こす散逸構造の研究を行ってきた。特に、自然界にある乾燥環境が多糖に与える影響に着目し、自己組織化によるユニークなパターン形成を見出している。多糖は光合成によってつくられた重要な天然由来物質の一つで持続可能社会の構築に必須でありながらも、その多様な潜在能力を活かした先端材料として普及が進んでいない。本研究では、自己集合性多糖水溶液の界面制御下、マクロ空間を分割する現象を見出すと同時に、三次元的な配向化技術の構築に成功した。高分子科学、コロイド科学、界面化学など多方面にわたる学問分野において意義深い。また、ゲルや液晶を主とした機能性ソフトマテリアルの開発に重要な一手となり、産学面への貢献も期待される。これらの研究成果は、高分子の自己組織化の解明に貢献するとともに、機能性材料設計に重要な指針を与えるものであり、高分子研究奨励賞に値するものと認められた。
■受賞にあたっての一言
大変名誉ある賞を頂き大変嬉しく存じます。高分子学会、選考委員会、および北陸支部の皆様に深く感謝申し上げます。また、本学金子達雄教授はじめ共同研究者の皆様、ご助言頂いた研究室の皆様にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。科学技術の発展に貢献すべく誠心誠意励んで参ります。
令和元年6月4日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/06/04-01.html応用物理学領域の村田教授がベトナム教育訓練省より"Medal For the Cause of Education"を受賞
応用物理学領域の村田 英幸教授にベトナム教育訓練省(Ministry of Education and Training)より "Medal For the Cause of Education"が授与され、2019年5月2日にベトナム交通通信大学(University of Transport and Communications(UTC))において受賞式が行われました。
今回の受賞は、村田教授によるUTCとの有機エレクトロニクス分野における共同研究の推進と、UTCから本学に受入れた博士前期課程、博士後期課程学生及び短期留学生への教育活動を通じたベトナム高等教育の発展と推進に対する貢献が認められたものです。受賞式には、ベトナム教育訓練省の幹部、ベトナム交通通信大学の学長・副学長と教授陣、ベトナム国家大学の教授陣及びこれらの大学の学生を含む多くの方々が出席しました。
[参考]
* University of Transport and CommunicationsのHPでの紹介記事
■受賞年月日
令和元年5月2日
(受賞決定年月日 平成30年12月25日)
■受賞にあたっての一言
ベトナム教育訓練省からMedal For the Cause of Educationをいただいたことを大変光栄に思います。このメダルは、有機エレクトロニクス分野における本学とベトナム交通通信大学との共同研究活動を通じたベトナムの高等教育への貢献が評価されたものです。ベトナムからの留学生として本学で博士の学位を取得され、帰国後に大学の教員となられた方々が共同研究において重要な役割を担われました。また、本学側から共同研究に係わられた酒井 平祐講師をはじめとする研究室各位に深く感謝いたします。今後も有機エレクトロニクス分野での研究を通じてベトナムと本学、ひいては我国との関係強化に貢献していく所存です。
令和元年5月27日
出典:JAIST 受賞https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/award/2019/05/27-01.html