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Event details

統計的データ解析・計算統計学・データサイエンスー統計数理とスパコンー

 1月31日(水)、下記のとおり情報社会基盤研究センターセミナーを開催します。
本セミナーに関しましては、参加申し込み・予約などは必要ございませんので、直接、会場にお越しくださいますようお願いいたします。

Startdate
2018.01.31 - 13:00
Enddate
2018.01.31 - 14:00
場所/Place
情報3棟5階コラボ7
プログラム/Program

1 講演者
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所
データ科学研究系 計量科学グループ 研究主幹
田村 義保 教授

2 講演要旨

 統計数理研究所に最初に導入された計算機は、1954年に導入されたFCOM415Aである。相関係数の計算に限られてはいたが、このような早い時期に計算機が導入されていたことは驚きである。
また、1956年には、FACOM128(リレー式万能計算機)が導入されている。この計算機は、有名な計算機アーキテクトである富士通の池田氏が設計してもので、日本の商用計算機の一号機である。東大でも気象庁でもなく、統数研に初号機
が導入されたと言うことは、61年前も統計学は当時の「大規模データ」を扱っていたと考えられる。
 著者が統数研の計算機導入に関係したのは、1989年に導入したHITAC-M682Hが最初である。ベクトル計算機ではなく、汎用計算機(メインフレーム)ではあったが、アレイプロセッサを内蔵しており、高速の浮動小数点演算を可能にしていた。1995年に導入したHITAC S-3600/120が統数研のスパコンの一号機である。この後、レンタル期間(リース期間)に応じて計算機システムを入れ換えて来た。同時に概算要求により、TITAN3000やOrigin3400等を導入し、研究所の計算機を用いた統計的手法の研究のために提供してきた。
 統数研の計算機システムの特徴は物理乱数発生装置を必ず導入していることである。現有のシステムの発生ボードは600MB/秒の発生速度を有しており、熱雑音を乱数源とするものの中では世界最高速である。
 計算機システムの導入の歴史、物理乱数発生装置に関する詳細は発表時に説明する。同時に、最近のデータサイエンスや著者が行って来た計算統計学に関する研究についてもふれる。

3 講演者略歴

田村 義保(たむら よしやす)
 1980年東工大にて理学博士の学位取得後、日本学術振興会奨励研究員を経て、1981年統計数理研究所第五研究部研究員として入所。以来、同所の助手、助教授、教授を歴任。時系列解析、非平衡統計物理等を専門として統計科学研究に従事、特筆すべきは同所開発の統計シミュレーション用途の乱数発生器。またその知識を活かし、同所スーパーコンピュータシステムの仕様策定・企画プロジェクトを長年にわたり牽引。

4 担当教員 情報社会基盤研究センター 准教授 本郷 研太

5 備考
 本セミナー終了後に、本学と統計数理研究所の研究協力協定に基づくワークショップ「第2回JAIST-ISMシンポジウム+KIST」(全講演英語)を開催いたしますので、併せて御参加下さい。
  詳細は研究施設支援係からの案内をご参照下さい。