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being in the world

大学に行き、Cliveの授業に(引き続き)参加した。テーマはハイデガーで、前回と今回はBeing in the worldという映画を見て議論するという形態を取っている。これがなかなか面白い映画で、身体知のような概念を軸としてハイデガーの哲学を一般向けに紹介しており、ジャズミュージシャンやコック、(日本の)大工などが出てきて非常に楽しめた。

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Cliveが熱くハイデガーについて語るので感心した。ものすごく単純化すると、時間意識が鍵で、何かに没頭している時と冷静かつ客観的に物事に対応しているときでは時間の流れ方が違う、と言う話であった。前者が身体知とかかわってくること。聴いていて考えたが、これら二つの時間意識は排反するものなのだろうか? 

人づてに吉福伸逸氏が逝去したことを知った。氏には大学在籍中&卒業後しばらくの間、ずいぶんお世話になった。人工知能の研究に興味を持ったのも彼がVarellaを教えてくれたからだし、身体知みたいなことに取り組んでいるのもBatesonを教えてくれたからだ。怪しいスピリチャリズムに入り込まないで済んだのも彼がすべての妄想を払拭してくれたお蔭だ。一人孤独の中で立つ勇気を与えてくれた。氏はK・ウィルバーの翻訳者でもあるが、ウィルバー的に考えればハイデガーがいうような分裂はないだろう。二つの時間意識は並列して存在しうる。おそらく優れた演奏家や俳優がそうしたことについて確証を与えてくれるはずだが、そういうことに(研究として)取り組めるのはもう少し先になるような気がする。

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大学を出るとき、遠くの方に黒い影がみえた。よくみるとそれは海だった。何度も通っているキャンパスだが海が見えていることに初めて気づいた。

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これは当然雑草なのだろうけど、キャンパスの空いた敷地に花が咲き乱れている。赤いのはポピーだろう。

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歩道が狭いのですれ違う時は人であろうと犬であろうと気を遣う。マルチーズは一度だけみかけた。

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ふたたび浜を偵察。泳いでいる人はほとんどいない。別の岸に行ってみたら、穴が穿たれて浴槽みたいになっていた。これなら子供でも安心して遊べるということなのだろう。Cliveによれば昨日みかけた老人らは地元で有名で、冬でも泳いでいるものらしい。現在の水温は19度くらい。地元の人はかぜをひくといけないから泳がない人が多いらしい。というのも、5月末から6月半ばまでが試験期間で、試験を受ける本人はもとより、家族もかぜをひかないように注意するからだという。なので5月末までは泳ぐ人はあまりいないと判明した。観光客は別として。

データ収集

よい天気が続く。いろいろな情報によれば5月から泳ぎ出す人がいるとのことなのでいつそれが始まるのか興味津々であったが、今日、始めて泳ぐ人を見た。地元の人らしき老人たち(?)が6人くらいのグループでたむろしており、うち二人が海に向かいだした。残りの人たちは「本当に泳ぐのか?」というようなことを言っているようにみえる。泳ぐつもりの人は「なんだ、お前ら、これしきの水温でたじろぐなんて男じゃないぞ」と言っているようにみえる。(いずれも想像。)そのうちに準備体操もなく、飛び込んで泳いで行ってしまった。どこまで行くのかと見ていたら、ほとんど湾の反対側くらいまで、横切るように泳いでいった。並が穏やかで深さもそれほどないのだろう。天気はよいが続く人はいない。まだ水温が低いに違いない。観光客らしき男二人連れは膝まで水に浸かったものの、すぐに引き返してきて日光浴していた。

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機材を担いでJohnのスタジオへ。スレッドワークをしている横で機材を設置し、どのくらいの精度で何がとれそうかいろいろ試してみた。まぁ練習のなかで時間をとってもらって動いてもらうというのもなかなか厳しいが、最後に1分ほど動いてもらってデータをとってみた。

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帰りの車の中で海で泳ぎ始める時期について質問したところ、大体、6月半ばだろうとの意見であった。それより前はやはり冷たいらしい。今日みたいな天気が2週間続けば海水が温められるからもっと早まるのではないかとの意見であった。

第6日

日にちを数え間違えていた。到着は4月24日、この日は29日。ゆえに第6日。

午前中、細々とした用件を片付けに商店街(?)に出た。思ったより順調に事が運び、ほっとした。折角なので気になっていたカフェに入ってケーキを注文。
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シチリア風ケーキ。中はリコッタチーズ。甘さ控えめで、見た目よりずっと穏やかな味でおいしかった。シチリアのお菓子は世界最強だと常々思う。しかしそれにわざわざ生クリームをつけるのは原則に反している。これはイギリスからの観光客が多く、彼らに迎合しているせいだろうと勝手に想像する。と、文句をつけてみたものの、こういう改変は歓迎というか、心惹かれるものがあって、結局喜んで生クリームをつけて食べている自分を発見する。

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開放的な作りになっているせいでカフェの中まで雀が飛び込んでくる。彼らはテーブルに着地し、そこにあるパンくずやら、ケーキの残りやらをつつこうとする。人間を恐れない不遜な生き物だ。

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午後からはJohnのスタジオへ行き、稽古が始まるまでの数時間、いろいろ議論した。内容は録音し、メモにもとった。これらをまとめて公開する予定。13回シリーズ。12週間マルタに滞在するから、なんとか予定はこなせるだろう。

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午後7時半過ぎにメンバーがやってきて稽古が始まった。この日はスレッドワーク中心。練習を見ながら、実験の計画を練った。とりあえず木曜日に機材を持ち込んで計測しながら方法を探っていくことに。

at graceville Maizuru

I have been to Maizuru to work with my colleagues, Masaru and Osamu. I brought into the care institution a set of motion capture device to collect data of bodily expressions by those caregivers. Osamu improvised on the device as usual and found a way to instruct oneself through the monitor. His imagination is outstanding.

グレイスヴィル舞鶴に行き、西川さん&砂連尾さんらとダンスワークショップに参加した。今回は簡易モーションキャプチャ装置を持ち込み、介護者さんらの動きを捕捉したが、砂連尾さんはモーションキャプチャ装置を単にデータをとるだけではなくて、自らを振り付けするツールとして使い出して、その発想の豊かさには圧倒されました。

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Masaru explains what Osamu has just done in the room
西川さんが砂連尾さんのレッスンについて解説

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I have brought a pair of stands with a screen to make a wall
スタンドやスクリーンを持ち込んだのは正解でした

セラピストにむけた情報発信

「セラピストにむけた情報発信」と題して首都大学東京人間健康科学研究科の樋口貴広先生が、先日の私の話に言及してくださっていました。ありがとうございます。
http://www.comp.tmu.ac.jp/locomotion-lab/higuchi/therapist/info265_JSSP2012.html